健康経営優良法人を目指したいけれど、「中小企業部門」と「大規模法人部門」のどちらで申請すればよいのか、迷っていませんか。名前が似ていて分かりにくいですよね。この記事では、2つの部門の違いと自社が該当する部門の見分け方を、9年連続で認定を受けている当事者の視点でやさしく整理します。
この記事でわかること
- 中小企業部門と大規模法人部門の5つの違い
- 自社がどちらの部門で申請するかの見分け方
- 部門ごとの申請の流れとメリット
結論から先に:健康経営優良法人の2部門は、対象となる会社の規模で分かれます。中小企業は「中小規模法人部門」、大企業は「大規模法人部門」で申請します。申請の入口・要件・上位認定の名称(ブライト500/ホワイト500)がそれぞれ異なります。
そもそも健康経営優良法人とは?2つの部門がある
健康経営優良法人とは、従業員の健康づくりに優れた取り組みを行う法人を国が顕彰する制度です。経済産業省は2016年度にこの制度を創設し、翌2017年に第1回の認定を行いました。
この制度には「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」という2つの部門があります。会社の規模によって、どちらか一方で申請するしくみです。それぞれの上位法人には、特別な呼び名が用意されています。
健康経営優良法人2024では、大規模法人部門の上位500法人が「ホワイト500」に認定されました。中小規模法人部門で上位500法人にあたるのが「ブライト500」です。いずれも部門内で特に優れた取り組みを行う法人。上位認定として区別されるしくみです。

相談者健康経営銘柄という言葉も聞きます。優良法人とは別ものですか。



はい、別ものです。健康経営銘柄は上場企業向けの選定制度で、優良法人よりも対象が限られます。中小企業が現実的に目指すのは、中小規模法人部門の認定です。
中小企業部門と大規模法人部門は何が違う?一覧で比較
2つの部門は、対象規模・申請の入口・認定要件・上位認定の名称・申請料という5つの点で違います。まずは全体像を一覧で確認してください。
| 比較項目 | 中小規模法人部門 | 大規模法人部門 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 中小企業(業種別の規模以下) | 大企業(その規模を超える法人) |
| 申請の入口 | 保険者の健康宣言+申請書 | 健康経営度調査への回答 |
| 上位認定の名称 | ブライト500 | ホワイト500 |
| 認定要件 | 必須項目が比較的少なめ | 必須項目が多く水準が高い |
| 申請料の傾向 | 低め | 高め |
中小規模法人部門は、初めて挑戦する会社でも取り組みやすい設計です。一方の大規模法人部門は、詳細な調査への回答と高い水準が求められます。自社に無理のない部門を選ぶことが、認定への近道になります。
どちらの部門で申請する?対象規模の分け方
申請する部門は、業種ごとに定められた資本金または従業員数の基準で決まります。基準以下なら中小規模法人部門、超えれば大規模法人部門です。判定の目安を表にまとめました。
| 業種 | 資本金・出資金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| 医療法人・サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
資本金と従業員数のどちらか一方が基準以下なら、中小規模法人部門の対象です。会社以外の法人、たとえば医療法人や社会福祉法人は、従業員数だけで判定します。迷ったときは、常時使用する従業員数から確認すると分かりやすいはずです。
私たちストレスチェックサポートセンターも、中小規模法人部門で9年連続の認定を受けています。従業員数が基準内であれば、業種を問わず中小規模法人部門から始められます。
認定要件そのものを詳しく知りたい方は、健康経営優良法人の認定基準の記事もあわせてご覧ください。5つの大項目に整理して解説しています。
中小規模法人部門の申請の流れ
中小規模法人部門は、加入している健康保険の「健康宣言」に参加するところから始まります。健康宣言とは、会社が従業員の健康づくりに取り組むと表明するしくみです。大まかな流れは次の4ステップです。
協会けんぽや健康保険組合など、加入している保険者の健康宣言事業にエントリーします。
健康診断の受診率向上やメンタルヘルス対策など、認定要件に沿った取り組みを進めます。
取り組み状況を認定申請書に記入し、申請ポータルから提出します。所定の申請料がかかります。
認定基準を満たせば健康経営優良法人として認定され、認定ロゴを名刺や採用サイトで使えます。
一方の大規模法人部門は、入口が大きく異なります。経済産業省が実施する「健康経営度調査」への回答が出発点です。回答内容が評価され、基準を満たした法人が認定されます。その上位500法人がホワイト500。中小規模法人部門より提出する情報量が多く、準備の負担も大きくなります。




中小企業が健康経営優良法人を目指すメリット
中小企業が中小規模法人部門の認定を受けると、採用・金融・自治体入札の3つの場面で目に見える効果が生まれます。認定は国のお墨付きとして、社外に伝わりやすい強みになります。


- 採用で「働きやすい会社」として学生や求職者に伝わりやすくなる
- 金融機関の融資や信用保証で優遇を受けられる場合がある
- 自治体の入札で加点されるなど、公共案件で有利に働くことがある
私が中小企業のご担当者からよく受けるのは、「何から手をつければよいか分からない」というご相談です。実際に取り組んでみると、健康診断の受診勧奨やストレスチェックの実施など、すでに始めていることが要件に当てはまるケースは少なくありません。
認定要件では、従業員の心の健康への対策も評価されます。ストレスチェック制度は、労働安全衛生法第66条の10に基づき2015年12月から義務化されています。厚生労働省によると、2025年5月に改正労働安全衛生法が公布されました。令和10年(2028年)4月1日からは、労働者50人未満の事業場にも義務化される予定です。
ストレスチェックの実施は、健康経営の取り組みの一つとしてそのまま評価につながります。担当者が兼務で手が回らない場合は、外部委託で負担を抑えながら要件を満たす方法もあります。準備の進め方に迷ったら、気軽にご相談ください。
認定で得られる効果をもう少し具体的に知りたい方は、健康経営優良法人のメリット・デメリットの記事や、取得方法をまとめた記事も参考にしてください。
まとめ:自社に合う部門で無理なく始める
健康経営優良法人の2部門は、会社の規模で分かれます。中小企業は、業種別の資本金または従業員数が基準以下なら中小規模法人部門で申請します。申請の入口は健康宣言への参加、上位認定はブライト500です。
大規模法人部門は健康経営度調査への回答が入口で、上位認定はホワイト500になります。まずは自社が該当する部門を見極め、すでに取り組んでいる健康づくりを整理するところから始めてください。ストレスチェックの実施も、その第一歩になります。
最新の申請要件や申請料は、経済産業省の健康経営に関するページで確認できます。制度の背景にあるメンタルヘルス対策は、厚生労働省のストレスチェック制度のページや労働安全衛生法(e-Gov法令検索)もあわせてご覧ください。
よくある質問
- 健康経営の大規模と中小規模の違いは何ですか?
-
会社の規模で分かれます。業種別の資本金または従業員数が基準以下なら中小規模法人部門、超えれば大規模法人部門です。申請の入口も異なり、中小規模は健康宣言への参加、大規模は健康経営度調査への回答から始まります。
- 健康経営優良法人の大規模法人部門とは何ですか?
-
大企業を対象とする部門です。経済産業省の健康経営度調査に回答し、認定基準を満たした法人が認定されます。その中で上位500法人が「ホワイト500」として特別に認定されます。
- 健康経営優良法人は中小企業でも対象ですか?
-
対象です。中小企業は「中小規模法人部門」で申請できます。加入している健康保険の健康宣言に参加し、健康づくりに取り組んだうえで申請書を提出すれば、認定を目指せます。
- ホワイト500とブライト500の違いは何ですか?
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ホワイト500は大規模法人部門の上位500法人、ブライト500は中小規模法人部門の上位500法人を指します。どちらも各部門の中で特に優れた取り組みを行う法人に与えられる上位認定です。
- 中小企業が健康経営優良法人になるにはどうすればいいですか?
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まず加入している保険者の健康宣言に参加します。次に健康診断の受診勧奨やストレスチェックの実施など要件に沿った取り組みを行い、申請書を提出します。認定基準を満たせば認定を受けられます。
- 健康経営優良法人には申請料がかかりますか?
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近年は申請料が有料化されており、大規模法人部門のほうが中小規模法人部門より高く設定されています。金額は年度によって見直されるため、申請前に経済産業省の公式情報で最新の金額を確認してください。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












