心理的安全性とは?測り方と高める手順

Team of four in a meeting around a round table with charts and a laptop; banner about improving psychological safety in Japanese.

「意見を言いづらい」「若手が黙ってしまう」。そんな職場の空気に、心当たりはありませんか。総務や人事のご担当者から、よくいただく悩みです。

この記事では、心理的安全性の意味から、職場で高める具体的な手順までをまとめました。専門用語はかみ砕いて説明します。明日から動ける形でお伝えします。

この記事でわかること

  • 心理的安全性の意味と、ぬるま湯との違い
  • 職場で心理的安全性を高める5つの方法
  • ストレスチェックの集団分析で現状を測るコツ

結論から先に:心理的安全性とは、対人関係のリスクをとっても安全だと信じられる職場の状態です。高めるには「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」の4つを、上司の言動から少しずつ増やしてください。

目次

心理的安全性とは?意味をわかりやすく解説

心理的安全性とは、対人関係のリスクをとっても安全だと、メンバーが信じられる状態です。組織行動学者エイミー・エドモンドソン氏が1999年の論文で示した概念です。

ざっくり言うと、「こんな質問をしたら評価が下がるかも」という不安がない職場のことです。反対意見も、素朴な疑問も、気がねなく口にできます。罰や無視をおそれず発言できる状態を指します。

米グーグルは2016年に、社内調査「プロジェクト・アリストテレス」の結果を公表しました。成果を出すチームの最大の要因は、心理的安全性だと結論づけています。個々の能力よりも、チームの空気こそが結果を左右します。組織づくりの常識をくつがえす、大きな発見。

私たちが100社以上のストレスチェックを支援する中でも、同じ傾向を感じます。数値が良い職場ほど、雑談や相談が自然に飛び交っている印象です。

心理的安全性が高い職場・低い職場の違いとは?

心理的安全性が高い職場では、失敗やミスを早く共有できるため、問題が小さいうちに解決へ向かいます。低い職場では、報告が遅れ、トラブルが大きくなりがちです。

ここで一つ、よくある勘違いを整理します。心理的安全性は「ぬるま湯」ではありません。仲良しで衝突を避ける状態とは、まったく別物です。

反対意見が歓迎されます。質問や相談が気軽に出ます。ミスは責めずに、次の改善へつなげます。挑戦する人が応援されます。

ぬるま湯は、基準がゆるく、なれ合いで成果が問われません。心理的安全性が高い職場は、高い目標を掲げつつ、率直に意見を交わせます。安心と厳しさは、両立できます。

心理的安全性を高める4つの因子とは?

日本の職場で心理的安全性を高める鍵は、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」の4つの因子です。石井遼介氏の著書『心理的安全性のつくりかた』(2020年)で示された枠組みです。

  • 話しやすさ:どんな相手にも、意見や疑問を口にできる空気。
  • 助け合い:困ったときに、遠慮なく助けを求められる関係。
  • 挑戦:前例のないことにも、まず試してみようと思える雰囲気。
  • 新奇歓迎:一人ひとりの個性や新しい視点を、歓迎する姿勢。

この4つは、どれか一つでは足りません。バランスよく育てることで、チームの土台が固まります。まずは自分のチームに、どの因子が薄いかを見てください。

心理的安全性を支える話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎という4つの因子の関係を示すイメージ
相談者

4つを一気に変えるのは、正直むずかしそうです。どこから手をつければいいですか。

ストレスチェックサポートセンター

まずは「話しやすさ」からで大丈夫です。上司が自分の失敗を先に話すだけでも、空気は変わります。次のステップで具体的にお伝えします。

職場で心理的安全性を高める方法5ステップ

心理的安全性は、上司やリーダーの日々の言動から高めていくことが求められます。特別な予算はいりません。次の5ステップで、順番に進めてください。

STEP
リーダーが弱さを先に見せる

上司から「自分も昔こう失敗した」と打ち明けてください。完璧を演じないことが、部下の発言のハードルを下げます。

STEP
発言に必ず反応する

意見が出たら、まず「ありがとう」と受け止めてください。否定から入らないだけで、次の発言が生まれます。

STEP
質問を歓迎する場をつくる

会議の最後に「素朴な疑問はありますか」と一言添えてください。質問を恥と感じさせない工夫が効きます。

STEP
ミスを責めず学びに変える

失敗が起きたら、犯人さがしではなく原因の共有に集中してください。責めない姿勢が、報告の早さを生みます。

STEP
数値で振り返る

ストレスチェックの集団分析で、職場の状態を定期的に測ってください。手ごたえを数字で確認すると、改善が続きます。

私自身、この5つを試した職場で、半年後に会議の発言数が目に見えて増えた例を見てきました。小さな一歩の積み重ねが、空気を変えていきます。受検率を上げる工夫とあわせて取り組むと、効果が高まります。

ストレスチェックの集団分析で心理的安全性を見える化する

心理的安全性は、ストレスチェックの集団分析を使えば、職場ごとの数値として見える化できます。感覚だけに頼らず、改善の効果を追えるようになります。

ストレスチェックの集団分析で職場ごとの心理的安全性の状態を数値として見える化するイメージ図

集団分析とは、部署やチーム単位でストレスの傾向をまとめて分析する手法です。「上司の支援」「同僚の支援」といった項目は、心理的安全性と深く関わります。厚生労働省は2026年6月に、集団分析の実施方法について労働安全衛生規則を改正しました。

数値が低い職場を見つけたら、先ほどの5ステップで手を打ってください。翌年の結果と比べれば、取り組みの成果がはっきりします。詳しい進め方は集団分析の活用方法で解説しています。

私たちストレスチェックサポートセンターは、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、100社以上・数名〜6,000名規模の実施を支えてきました。集団分析の結果を、職場改善の具体策までご一緒に考えます。

高ストレスの方が出た場合の対応は、丁寧な配慮が求められます。手順は高ストレス者への対応方法にまとめました。あわせてご覧ください。

心理的安全性を高めるときの注意点

心理的安全性を高める取り組みは、「厳しさをなくすこと」と混同すると失敗します。安心して発言できることと、成果への責任は、両立させてください。

よくある落とし穴:優しさだけを優先すると、なれ合いのぬるま湯になります。目標や基準はしっかり示したうえで、発言のしやすさを守ってください。

もう一つ、効果はすぐには出ません。空気づくりは、数か月から年単位の取り組みです。焦らず、上司の言動を一つずつ変えていってください。

制度面の裏づけを確認したいときは、厚生労働省のストレスチェック制度ページや、こころの耳が役立ちます。根拠となる条文は労働安全衛生法(e-Gov法令検索)で確認できます。

まとめ:小さな一歩から職場の空気を変える

心理的安全性とは、リスクをとっても安全だと信じられる職場の状態です。ぬるま湯とは違い、安心と厳しさを両立させます。

高めるには、上司が弱さを見せ、発言に反応し、ミスを学びに変えることから始めてください。そして、ストレスチェックの集団分析で成果を数値で振り返りましょう。毎年の実施は、職場を映す鏡。

「うちの職場の数値をどう読めばいいか分からない」。そんなときは、私たちにご相談ください。9割以上のお客様に翌年も継続いただいている実績で、貴社の職場づくりに伴走します。

心理的安全性とは簡単に言うと何ですか?

心理的安全性とは、意見や疑問を口にしても、罰や無視をおそれなくてよいと信じられる職場の状態です。組織行動学者エドモンドソン氏が1999年に示した概念で、率直な発言ができる土台を意味します。

心理的安全性の4つの因子は何ですか?

日本の職場向けには「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」の4つが挙げられます。石井遼介氏の著書で示された枠組みで、どれか一つでなくバランスよく育てることが求められます。

心理的安全性とぬるま湯の違いは何ですか?

ぬるま湯は基準がゆるく、なれ合いで成果が問われない状態です。心理的安全性が高い職場は、高い目標を掲げながら率直に意見を交わせます。安心と厳しさが両立している点が違います。

心理的安全性はどうやって測ればいいですか?

ストレスチェックの集団分析を使うと、職場ごとの状態を数値で把握できます。「上司の支援」「同僚の支援」などの項目が参考になります。毎年比較すれば、改善の効果を追えます。

心理的安全性を高めると、どんな効果がありますか?

ミスや問題を早く共有できるため、トラブルが小さいうちに解決へ向かいます。質問や挑戦が増え、チームの学びが速まります。米グーグルの2016年の調査でも、成果を出すチームの要因とされました。

心理的安全性を高めるには、どのくらい時間がかかりますか?

空気づくりは、数か月から年単位の取り組みです。上司が弱さを見せ、発言に反応する行動を続けることが第一歩です。ストレスチェックで毎年振り返ると、変化を実感しやすくなります。

この記事の編集・監修体制
信頼性の高い情報発信
編集・監修:ストレスチェックサポートセンター編集部

本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。

ストレスチェック支援実績
9年連続
健康経営優良法人に認定
3〜20,000名規模
受検人数を問わず、幅広く支援しております。
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運営会社情報

シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。

健康経営優良法人2026 中小規模法人部門 ネクストブライト1000
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