ドライバーが全国に散らばり、出社もバラバラ。運送業でストレスチェックをどう回せばいいか、正直悩ましいですよね。長時間労働や拘束時間の長さもあり、後回しにしてしまう会社は少なくありません。
この記事では、運送業のストレスチェックについて、義務化の最新情報から多拠点でも回す実務のコツまでを整理します。読み終えるころには、自社で何から動けばよいかが見えているはずです。
この記事でわかること
- 運送業でストレスチェックが欠かせない理由と、2028年の義務化で変わる点
- 多拠点・ドライバー不在という運送業ならではの壁と、その越え方
- 実施の5ステップと、自社実施・外部委託の向き不向き
運送業でストレスチェックが欠かせない理由
運送業は心身の負担が大きく、ストレスチェックが安全運行と人材定着の両面で効く業種です。
ドライバーの仕事は、長い拘束時間と単独作業が特徴です。荷待ちや深夜運行も重なる、疲れをためやすい環境。心の不調は、居眠りや注意力の低下という形で事故に直結しかねません。
いわゆる「2024年問題」で時間外労働の上限規制も始まりました。人手不足のなか、一人あたりの負担はむしろ増えがちです。だからこそ、不調の芽を早く見つける仕組みが運送業には求められます。
ストレスチェックは、単なる法令対応ではありません。高ストレスの人を早く把握し、事故と離職を減らす「守りの投資」として使えます。

実際にご相談を受けていると、「点呼のときは元気そうに見えるが、本当のところが分からない」という声を運送業の管理者から多くいただきます。見た目では分からない負担を数値で拾えるのが、この制度の強みだと感じています。
運送業のストレスチェックはいつから義務?
従業員50人以上の事業場はすでに義務、50人未満も2028年4月から義務化されます。
ストレスチェックは、労働安全衛生法第66条の10で事業者に義務づけられています。2015年12月の施行以来、常時50人以上の労働者がいる事業場が対象です。50人未満は、当分の間の努力義務とされてきました。
状況が変わったのは2025年5月です。改正労働安全衛生法が公布され、50人未満の事業場にも実施が義務化されました。施行は令和10年、つまり2028年4月1日からです。(参考: 厚生労働省 ストレスチェック制度)
ここで注意したいのが「50人」の数え方です。運送業では営業所や車庫が分かれていることが多く、事業場ごとに人数を判定します。本社は50人以上でも、地方の営業所は50人未満というケースは珍しくありません。2028年の義務化を見据え、小さな営業所も含めて準備を進めてください。義務化の全体像は2028年義務化の完全ガイドでも詳しく解説しています。
運送業ならではの3つの壁と越え方
運送業の実施でつまずく原因は、多拠点・ドライバー不在・受検率の3つにほぼ集約されます。
他業種と同じやり方では、運送業はうまく回りません。まず自社の壁がどこにあるかを見極めることが、遠回りを避ける近道になります。代表的な3つの壁と対策を、表で整理しました。
| 運送業の壁 | 越え方 |
|---|---|
| 営業所・車庫が全国に分散 | Web受検で場所を問わず回答。紙受検との併用も用意 |
| ドライバーが日中は車内で不在 | スマホ受検+点呼や休憩の時間を案内タイミングに活用 |
| 「面倒」で受検率が伸びない | 目的を短く伝え、匿名性と不利益なしを明確にする |
相談者ドライバーがスマホ操作に慣れていなくて、受検率が上がらないんです…。



紙の受検票も併用しましょう。私たちが支援した現場では、点呼のときに手渡す運用に変えたら、受検率がぐっと上がった例があります。全員がスマホを使える前提にしないのがコツです。
運送業でのストレスチェック実施の流れ
実施は「準備→受検→医師面接→結果活用」という5つのステップで進みます。
初めてでも、順番どおりに進めれば迷いません。運送業で押さえたいポイントを添えて、流れを見ていきます。


実施者(医師・保健師など)と、事務を担う実施事務従事者を決めます。衛生委員会で実施方法を話し合い、社内に周知します。
厚生労働省の57項目または80項目の調査票を使います。ドライバー向けにWeb受検と紙受検を併用し、回答しやすい環境をつくります。
点呼や休憩の時間を使い、期間内に受検してもらいます。結果は実施者から本人へ直接通知され、会社は同意なく個人結果を見られません。
結果を集団分析にかけ、営業所ごとの傾向を把握します。長時間労働や人間関係など、負担の原因を職場改善につなげます。
高ストレスと判定された人への向き合い方は、高ストレス者への対応の記事もあわせてお読みください。会社がすべきことを具体的にまとめています。
集団分析を事故防止と職場改善に活かす
集団分析は、営業所ごとの弱点を見える化し、事故と離職を減らす手がかりになります。
個人の結果は本人のものですが、部署単位でまとめれば会社も活用できます。運送業なら、営業所や車種ごとに負担の偏りが見えてきます。数字で示せると、現場の改善提案も通りやすくなります。
2026年6月には集団分析に関する労働安全衛生規則の改正が行われました。特定の個人を識別できない方法で実施すると規定され、令和9年4月1日から施行されます。少人数の営業所では、まとめ方に配慮が求められます。


自社実施と外部委託、どちらが向いている?
多拠点で担当者が兼務の運送業では、外部委託が向くケースが多いです。
自社実施は費用を抑えやすい一方、実施者の確保や個人情報の管理が負担になります。とくに営業所が多い運送業では、事務量が一気にふくらみがちです。両者の違いをタブで比べてみます。
費用は抑えられます。ただし実施者や実施事務従事者を自社で用意し、多拠点の受検管理や個人情報の保管まで担う必要があります。総務が兼務だと負担が重くなりがちです。
私たちストレスチェックサポートセンターは、500〜20,000名規模まで100社以上の実施を代行してきました。Web受検・紙受検・併用のすべてに対応し、全国に散らばるドライバーも一括で回せます。最短3日で受検を始められる体制です。
個人情報はプライバシーマークを継続取得し、自社サーバーで管理します。英語・ベトナム語にも対応するため、外国人ドライバーや技能実習生がいる会社でも安心して進められます。9年連続で経済産業省の健康経営優良法人に認定され、リピート率は9割を超えます。外国人スタッフの受検については外国人従業員の対応ガイドもご覧ください。
まとめ|運送業こそ早めの体制づくりを
運送業のストレスチェックは、安全運行と人材定着に直結する取り組みです。50人以上はすでに義務、50人未満も2028年4月から義務化されます。営業所ごとの人数判定を忘れず、小さな拠点から準備を進めてください。
多拠点・ドライバー不在・受検率という壁は、Web受検と紙受検の併用、そして外部委託でぐっと越えやすくなります。まずは、自社の壁がどこにあるかの見極め。その一歩が、事故と離職を減らす体制づくりの起点です。迷ったら、気軽に相談してください。
よくある質問
- 運送業でもストレスチェックは義務ですか?
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常時50人以上の事業場は、業種を問わず義務です。運送業も対象になります。50人未満の事業場も、2028年4月1日から義務化されます。人数は営業所などの事業場ごとに数えます。
- 長距離ドライバーもストレスチェックの対象ですか?
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常時使用され、一定の労働時間がある従業員は対象です。長距離ドライバーも含まれます。日中は車内で不在のことが多いため、スマホ受検や紙受検を併用し、受検しやすい方法を用意してください。
- 運送業で受検率を上げるコツはありますか?
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目的を短く伝え、匿名性と不利益がないことを明確にしてください。点呼や休憩など、全員が立ち寄る時間を案内のタイミングに使うと効果的です。スマホが苦手な人向けに紙の受検票も残しておきます。
- 運送業は高ストレスになりやすい業種ですか?
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長い拘束時間や単独作業、深夜運行などが重なり、負担がたまりやすい環境です。心の不調は事故リスクにもつながります。だからこそ、早く気づける仕組みとしてストレスチェックが役立ちます。
- 外国人ドライバーがいても実施できますか?
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実施できます。厚生労働省は多言語版の調査票を用意しています。当センターは英語・ベトナム語に対応し、外国人ドライバーや技能実習生がいる会社でも同じ基準で進められます。
- 手軽に自分のストレスを確かめる方法はありますか?
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厚生労働省「こころの耳」に、5分でできる職場のストレスセルフチェックがあります。無料で試せます。ただし法定のストレスチェックとは別物です。会社としての実施には、正式な体制づくりが求められます。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。










