2028年から実施義務の対象となる企業のご担当者様、2026年2月に公表された小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアルはもうご覧になりましたか?ストレスチェックは外部委託することが推奨されています。
ストレスチェックを外部委託で実施する際、企業の担当者が最初に行う実務が「受検者リスト(名簿)」の作成です。社内に既存の社員名簿をそのまま流用できることがほとんどですが、それでも注意しなければいけない点があります。この記事ではストレスチェック実施の入り口、受検者リストについてお話します。
実施方法ごとの受検者リストに載せる必須項目
外部委託における受検者リストの必須項目は、実施方法によって異なります。紙受検の場合は「氏名」と「性別」、Web受検の場合はこれらに「メールアドレス」を加えた3点が必須です。
ここで「性別」が必須項目とされているのは、ストレスチェックの判定基準が男女で異なるためです。厚生労働省の実施マニュアルが推奨する「職業性ストレス簡易調査票」では、性別ごとに標準化された得点換算表を用いてストレスの程度を算出します。性別情報がないと、高ストレス者の判定を正しく行うことができません。
参考:厚生労働省 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアルp.87https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf
社員番号・個人番号を含めるか
可能であれば受検者リストには「社員番号」を含めることをお勧めします。
特に同姓同名の社員がいる場合は個人識別のため、社員番号か、後述の生年月日を含めた名簿での運用が必要になります。また、複数年度にわたってストレスチェックを実施するにあたり、社員番号をシステムに登録しておけば、経年での変化を観測することができ、社内のメンタルヘルスケアにおいて非常に有用です。
社員番号がない組織や管理が難しい場合は、受託側で任意の識別番号(システムID)を割り振って運用することが可能ですが、経年変化については追跡が不可能となります。
集団分析を見据えた項目の選定
必須項目ではありませんが、集団分析するときの分析単位として、「年齢または生年月日」、「部署名」を名簿に含めるとよいでしょう。部署や年代ごとのストレス状況を可視化することで、どの集団にどのような負担がかかっているかを客観的に把握し、具体的な対策を講じることが可能になります。
受検者リストの受け渡し方法
受検者リストデータの受け渡しについては、情報の機密性を確保することが大前提となります。個人情報についての契約書を取り交わした上で、実務上は委託業者が提供する専用のアップローダーを利用する、ファイルをメールに添付して送付する場合パスワードで保護するなど対策が必要です。担当者は自社のセキュリティポリシーに合わせ、適切な受検者リストの受け渡しをしてください。
システム上の課題 外字(特殊な漢字)への対応
日本人の氏名には、一般的なPC環境では表示できない「外字(特殊な漢字や旧字体)」が含まれることが多々あります。これらが受検者リストのデータに含まれていると、対応が必要になります。
多くのストレスチェックシステムや、紙受検で使用されるOCR・OMR(光学式文字読取・マーク読取)帳票の設計は、JIS X 0208(JIS第1・第2水準)という文字コード規格を基準としています。この規格に含まれない外字が名簿データに入っていると、Web受検システムや回答シート、結果帳票において氏名が「?」や「■」と表示されるいわゆる文字化けが起こります。
自分の名前が正しく印字されていないことは、従業員にとって心理的な不安や会社への不信感に繋がります。メンタルヘルスを扱うデリケートな検査だからこそ、氏名の正確性は極めて重要です。
デジタル庁による「行政事務標準文字」の導入など、文字基盤の標準化に向けた動きはありますが、現状の多くのシステム環境では依然として技術的な制約が残っています。
こうしたトラブルを未然に防ぎ、受検者に正確な結果通知を届けるための実務的な対応として、外字を含む氏名は「カタカナ表記」に変更するか、JIS規格内の常用漢字(新字体)に置き換える対応をしています。
受検者リストの変更
ストレスチェックの実施期間中に退職者が出た場合や、氏名の変更があった場合は、受託業者へ連絡し、リストの更新を依頼しましょう。部署の変更、異動については、配布先の都合上変更したく思いがちですが、ストレスチェック自体が直近1ヶ月の心身の健康状態を問う調査であるため、集団分析でどちらに含めるかも加味した上でリストの変更が必要か判断しましょう。
まとめ
1番初めにお話ししました必須項目さえあれば、ストレスチェックの実施は可能です。
ストレスチェックサポートセンターでは名簿のテンプレートをご用意しておりますので項目に従って入力するだけで集団分析分類まで網羅した受検者リストをご準備可能です。また、外字や受検期間中の変更にも柔軟に対応いたします。お気軽にお問い合わせください。


