ストレスチェックでは、医師免許以外でも一定の役割を果たす資格があり、産業カウンセラーは特に重要な役割を果たす資格です。今回は、産業カウンセラーの概要や活動、ストレスチェック時の役割についてご紹介します。
ストレスチェックでの実施者の役割とは？
ストレスチェックとは、働く人のメンタルヘルス不調を予防するために行われるものです。2015年から、50人以上の従業員を抱える事業所では年に1回、必ず実施しなければなりません。ただし、実施するのは医療系の資格を持つ人たちに限られます。
ストレスチェックの結果は、実施者から従業員に通知されます。結果によっては面接指導などのアフターケアが必要になることもありますが、それも仕事の一環となっています。ストレスチェックは、誰が高ストレス者なのかを特定するためのものではありません。もし高ストレス者に該当したとしても、人事評価には全く関係なく、そのストレスを軽減することが目的です。そのため、アフターケアを担当する人たちには重要な役割があると言えます。
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産業カウンセラーとは？
産業カウンセラーとは、心理的手法を用いて働く人たちが抱える問題を自分で解決できるようサポートする専門家のことで、民間企業、公的機関、医療機関など様々な場所で活躍しています。働く人の心理的な問題の解決をサポートするカウンセリングのスキルに加え、労働基準法や雇用に関する知識も有しています。
事業場内カウンセラーと産業カウンセラーは、似たようなものだと思われることがありますが、実際は異なります。事業場内カウンセラーという資格が存在しないのに対して、産業カウンセラーは日本産業カウンセラー協会が認定する資格を持っている人を指します。
産業カウンセラーの主な活動
産業カウンセラーの主な活動は下記の3つです。
- メンタルヘルス対策への支援
- キャリア形成への支援
- 職場における人間関係開発・職場環境改善への支援
順番に解説します。
メンタルヘルス対策の支援
現代の職場環境において、人事労務政策が従業員にストレスをもたらす要因となっています。リストラによる雇用の不安定化や成果主義の導入などがその例です。これらの問題が放置されると、心身に悪影響を与え、生産性の低下や重大なミスを引き起こす可能性もあります。
そのため、職場のストレス対策と個人のストレスコントロールを行うことが必要です。産業カウンセラーは、働く人のメンタルヘルスの維持や改善に貢献しています。
キャリア形成への支援
働く人たちが抱える悩みの一つに、能力開発やキャリアアップがあります。職場環境や雇用形態が多様化する現代において、将来についての道筋も一つではありません。そこで、産業カウンセラーが一人ひとりに寄り添って、どのようにキャリアを築いていくのかを支援していきます。
職場における人間関係開発・職場環境改善への支援
職場で起こる問題を一つひとつ追いかけるようなモグラ叩きでは、根本的な解決には繋がらないので、予防的な対策が必要です。産業カウンセラーは、メンタルヘルスやキャリア開発の対策とともに、人間関係の改善に取り組み、個人の成長を促進します。また、男女平等な職場環境の実現や、より快適な職場環境への取り組みにも力を入れています。
ストレスチェック実施時の産業カウンセラーの役割
ここからは、ストレスチェックでの産業カウンセラーの活用法についてご紹介します。
高ストレス者の選定
ストレスチェック実施後、高ストレスの可能性がある従業員を特定する方法として、補足面談による選定があります。この面談は医師だけでなく、産業カウンセラーによって実施されることがあります。
カウンセリングの実施
高ストレス判定を受けた従業員は、必要であればカウンセリングを受けることができます。カウンセリングのみであれば産業カウンセラーが担当することもでき、カウンセリングだけでなく、常に相談することができる窓口としての役割も期待されています。
職場改善研修の実施
集団分析を活用して職場全体の研修や組織改革などを行うことで、根本的な改善が可能になります。産業カウンセラーであればラインケアやセルフケアなど最も効果的な研修を実施することができます。
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まとめ
今回は、産業カウンセラーの概要や役割、活用方法についてご紹介しました。
ストレスチェックの結果をもとにしたカウンセリングなどは産業カウンセラーでも担うことができます。むしろ、産業カウンセラーでなければ果たせない役割もあり、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
