ストレスチェックの実施規程を作りたいけれど、何から書けばいいか分からない。そんな相談を、私たちは毎年のように受けています。兼務の総務担当者にとって、規程づくりは正直、後回しにしたくなる仕事ですよね。
結論はシンプルです。厚生労働省のひな形を土台に、自社の実施体制を当てはめれば形になります。この記事では、ひな形の入手先から作成手順、外部委託時の書き方までを順に解説します。
この記事でわかること
- 実施規程ひな形の入手先(厚生労働省・Word形式)
- 規程に盛り込む項目と、作成の5ステップ
- 外部委託時の書き方と、50人未満への義務化拡大への備え
結論から先に:ストレスチェック実施規程のひな形は、厚生労働省の実施マニュアルで無料入手できます。衛生委員会等での調査審議を経て自社用に直し、従業員へ周知すれば運用を始められます。
ストレスチェック実施規程とは?ひな形はどこで入手できる?
ストレスチェック実施規程とは、ストレスチェックの実施方法や結果の取扱いを定めた社内ルールです。
労働安全衛生法第66条の10は、事業者にストレスチェックの実施を義務付けています。ただし、細かい進め方までは法律に書かれていません。だからこそ、誰が・いつ・どのように実施するかを規程に落とし込む必要があります。
規程づくりの第一歩は、ひな形の入手から。厚生労働省のストレスチェック制度ページから入手できます。「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」に規程例が載っています。Word形式で無料ダウンロードでき、社名や体制を書き換えてそのまま土台にできます。
相談者ひな形の社名だけ変えて、そのまま使ってもいいのでしょうか?



骨組みはそのままで大丈夫ですよ。ただし実施者や面接指導の窓口など、体制の部分は必ず自社の実態に書き換えてくださいね。
実施規程の作成は義務?就業規則との関係
実施規程の作成自体に罰則はありませんが、厚生労働省のストレスチェック指針で規程の作成と周知が求められます。
指針では、実施前に衛生委員会等で実施方法を調査審議することとされています。審議で決めた内容を規程としてまとめ、全従業員に周知するという流れです。ストレスチェック義務の根拠条文は、労働安全衛生法(e-Gov法令検索)の第66条の10で確認できます。
就業規則との関係も迷いやすいところです。本体に組み込む方法もありますが、独立した規程にすると改定がしやすくなります。ストレスチェックの運用は、体制や委託先の変更で毎年少しずつ変わるためです。
規程がないまま実施すると、結果の取扱いをめぐるトラブルの火種になります。受検拒否などを理由とする不利益な取扱いの禁止は、必ず規程に明記してください。
実施規程に盛り込む項目【ひな形の構成】
実施規程は、総則・実施体制・実施方法・結果の取扱い・記録の保存という骨組みで構成します。
厚労省のひな形も、社労士が作る規程も、骨組みは大きく変わりません。実施者とは、検査を行い結果を扱う医師・保健師などのこと。実施事務従事者とは、案内やデータ整理などの事務を担う社内スタッフです。次の表の順に自社の内容を埋めていけば、抜け漏れを防げます。
| 項目 | 定める内容 |
|---|---|
| 総則 | 規程の目的・適用範囲 |
| 実施体制 | 実施者・実施事務従事者・担当部署 |
| 実施時期 | 実施月と頻度(年1回以上) |
| 実施方法 | 調査票(57項目など)・受検方法 |
| 結果の通知 | 本人への通知方法・高ストレス者の選定基準 |
| 面接指導 | 申出の方法・医師による面接指導の流れ |
| 集団分析 | 集計・分析の単位と活用方法 |
| 記録の保存 | 保存担当者・保存期間(5年間) |
| 不利益取扱いの防止 | 受検拒否等を理由とする不利益の禁止 |
高ストレス者への対応や面接指導の細部は、規程では大枠だけ定めれば足ります。実務の流れは高ストレス者への対応と医師による面接指導の流れで詳しく解説しています。
「自社だけで作り切るのは大変そう」と感じたら、たたき台の段階で構いません。迷ったら相談してください。規程づくりから受検開始まで伴走します。
実施規程はどう作る?5つのステップで完成
実施規程は、ひな形の入手から周知まで5つのステップで作成します。
順番を間違えなければ、初めての担当者でも進められます。ポイントは、体制を決めてから衛生委員会に諮ること。私たちの経験では、たたき台がないまま審議を始めた会社ほど議論が空転しています。
厚生労働省の実施マニュアルから規程例をダウンロードし、たたき台にします。
実施者・実施事務従事者・面接指導を担当する医師を決めます。外部委託する場合は、この段階で委託先を選びます。
実施方法・結果の取扱い・情報管理を審議します。審議の記録は議事録として残してください。
審議結果を反映して規程を確定します。社内掲示やイントラネットで、全従業員に周知します。
初回実施後に運用上の課題を洗い出します。受検方法や案内の仕方を、翌年度に向けて規程へ反映します。


外部委託するときの実施規程はどう書く?
外部委託する場合も実施規程は必要で、委託先の実施者と個人情報の管理方法を明記します。
委託しても、ストレスチェックの実施主体は事業者のままです。規程で書き換えるのは、主に実施体制の章。実施者を委託先の医師などとし、社内側の実施事務従事者と問い合わせ窓口を定めます。
個人情報の管理も具体的に書いてください。当センターはプライバシーマークを取得し、受検結果を自社サーバーで管理しています。委託先の管理体制を規程や社内説明に反映すると、従業員の安心感が目に見えて変わります。
私は問い合わせ対応のなかで、「委託を始めてから規程を一度も直していない」という会社によく出会います。委託先や受検方法が変わったら、規程の実施体制も併せて更新してください。



委託先を選ぶ基準も、規程に書いておくべきですか?



規程に書く必要はありません。ただ、選定の観点は整理しておくと安心です。100社以上を支援してきた経験では、情報管理と面接指導までの一貫対応が決め手になっています。
比較の観点はストレスチェック委託先の選び方にまとめています。
50人未満への拡大は2028年4月。規程づくりはいつから?
50人未満の事業場も、2028年4月1日からストレスチェックの実施が義務になります。根拠は2025年5月に公布された改正労働安全衛生法です。
厚生労働省の「令和5年度ストレスチェック実施状況」によると、実施率は83.6%です。ただしこの数字は、義務対象だった50人以上の事業場が中心です。小規模の職場では、規程はもちろん実施体制づくりもこれからという会社が珍しくありません。
直近の法改正にも注意が必要です。2026年6月30日には、集団分析の実施方法について労働安全衛生規則が改正されました。個人を特定できない方法で実施することが規定され、2027年4月1日に施行されます。集団分析の章を持つ規程は、施行までに見直してください。集団分析の基本は集団分析の活用方法で解説しています。


よくある質問
実施規程について、検索や問い合わせで特に多い質問をまとめました。
- ストレスチェックの実施規程は義務ですか?
-
規程の作成自体に罰則はありません。ただし厚生労働省の指針では、衛生委員会等での調査審議を経て規程を定めることとされています。定めた規程は、労働者への周知が求められます。未整備のまま実施すると、結果の取扱いを巡るトラブルの原因になります。
- ストレスチェック実施規程のひな形はどこで入手できますか?
-
厚生労働省の「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」に規程例が掲載されています。厚生労働省サイトからWord形式で無料ダウンロードでき、社名や実施体制を書き換えて使えます。
- ストレスチェックは従業員が拒否できますか?
-
受検は従業員の義務ではないため、拒否できます。ただし事業者は受検を勧奨でき、拒否を理由とする不利益な取扱いは禁止されています。受検勧奨の方法を実施規程に定めておくと、毎年の運用が安定します。
- 実施規程は就業規則に記載する必要がありますか?
-
就業規則本体に組み込む方法と、独立した実施規程を定める方法の2通りがあります。体制変更のたびに直しやすいのは独立規程です。どちらの形でも、衛生委員会等での調査審議と従業員への周知が前提になります。
- 2026年度からストレスチェックは義務化されますか?
-
2026年度からではありません。根拠は2025年5月公布の改正労働安全衛生法です。50人未満の事業場への拡大は、2028年4月1日から施行されます。それまでの間、50人未満の事業場は努力義務のままです。
- 外部委託した場合も実施規程は必要ですか?
-
必要です。外部委託しても、実施主体は事業者のままだからです。規程には委託先の実施者、社内の実施事務従事者、個人情報の管理方法を明記してください。従業員への説明もスムーズになります。
まとめ:ひな形を土台に、自社の実態に合う規程へ
実施規程は、厚生労働省のひな形を使えばゼロから書く必要はありません。要は、実施体制と結果の取扱いを自社の実態に合わせること。衛生委員会での審議と周知まで済ませて、はじめて運用の土台が整います。
- ひな形は厚生労働省の実施マニュアルから無料で入手できる
- 衛生委員会等での調査審議と全従業員への周知までがワンセット
- 外部委託時は実施体制と個人情報管理の章を書き換える
- 50人未満への拡大(2028年4月)前に準備を始める
当センターは9年連続で経済産業省の健康経営優良法人に認定され、リピート率は9割以上です。規程のたたき台づくりの段階からでも、遠慮なく相談してください。最短3日で受検を始められる体制を整えて、お待ちしています。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












