健康診断とストレスチェックの違い|目的・対象・法律を整理

Two large clipboards compare medical tests, flanked by doctors; brain and heart icons indicate test topics, with a Japanese title about differences.

「健康診断とストレスチェック、何がどう違うの?」と迷う総務担当者は少なくありません。毎年の対応に追われるなかで、正直ややこしいですよね。この記事では、両者の違いを目的・対象・法律など5つの視点でやさしく整理します。

この記事でわかること

  • 健康診断とストレスチェックの根本的な違い
  • 対象・頻度・実施者・結果の扱いの比較
  • 2028年義務化と、担当者が今すべき準備

結論から先に:健康診断は「身体」の健康状態を調べる検査で、ストレスチェックは「心」の負担を調べる検査です。どちらも労働安全衛生法にもとづく年1回の会社の義務ですが、対象範囲・実施者・結果の扱いが異なります。目的が別物なので、両方の実施が求められます。

目次

健康診断とストレスチェックの違いとは?まず目的で理解する

両者の一番の違いは「調べる対象」です。健康診断は身体の状態を、ストレスチェックは心の状態を確認します。

健康診断とは、身長・血圧・血液検査などから、労働者の身体の健康状態を把握する検査です。病気の早期発見と、働き方の調整が主な目的になります。労働安全衛生法第66条にもとづき、常時使用する労働者への年1回以上の実施が事業者に求められます。

一方、ストレスチェックとは、質問票への回答から心理的な負担の程度を把握する検査です。メンタル不調を未然に防ぐ「一次予防」を目的としています。労働安全衛生法第66条の10にもとづき、2015年から常時50人以上の事業場で義務化されました。

ざっくり言うと、健康診断は「体のドック」、ストレスチェックは「心の点検」。守るべき対象が違うため、片方だけでは不十分なのです。両方そろって、はじめての健康管理。

健康診断は身体、ストレスチェックは心を調べるという役割の違いを示すイメージ

【比較表】5つの視点で違いを整理する

健康診断とストレスチェックは、対象・頻度・実施者・根拠法・結果の扱いという5つの点で異なります。まずは一覧で全体像をつかんでください。

項目健康診断ストレスチェック
目的身体の健康把握・病気の早期発見心の負担の把握・不調の未然防止
根拠法労働安全衛生法 第66条労働安全衛生法 第66条の10
対象すべての事業場(規模を問わない)常時50人以上(2028年4月から50人未満も義務)
頻度年1回以上年1回以上
実施者医師医師・保健師・研修を受けた看護師など
結果の扱い会社が把握・保存し事後措置本人へ直接通知・同意なしに会社は見られない

表のとおり、頻度はどちらも年1回以上で共通します。大きく分かれるのは「対象範囲」と「結果を会社が見られるか」の2点です。この2点を押さえておけば、実務での混乱はかなり減ります。

実施者について補足します。ストレスチェックの「実施者」とは、検査を実施する医師・保健師などの専門職を指します。健康診断は医師が担う点と対比すると、覚えやすくなります。

結果の取り扱いはどう違う?会社が見られるかが分かれ目

最も注意したい違いが、結果の取り扱いです。健康診断の結果は会社が把握できますが、ストレスチェックの結果は本人の同意なしに会社が見ることはできません。

健康診断では、会社が結果を受け取り、個人票を5年間保存することが求められます。異常の所見があれば、医師の意見を聴き、労働時間の短縮など就業上の措置につなげます。

ストレスチェックでは、結果はまず本人へ直接通知されます。会社が個人の結果を知るには、本人の同意が必要です。メンタルの情報は特にデリケートなため、プライバシー保護が手厚く設計されています。

ストレスチェックの結果は本人の同意なしに会社が閲覧できないという取り扱いの違いを示すイメージ
相談者

健康診断と同じ感覚で、ストレスチェックの結果も会社でまとめて管理していいのでしょうか?

ストレスチェックサポートセンター

そこが落とし穴です。ストレスチェックの結果は本人の同意がなければ会社は閲覧できません。健診と同じ運用にすると、思わぬ情報管理のミスにつながります。担当者と実施者の役割を分けて設計してください。

私たちが100社以上のストレスチェックを支援するなかでも、この「結果の扱い」を健診と混同してしまう相談を毎年いただきます。仕組みを一度理解すれば、運用はぐっと楽になります。高ストレス者への対応は高ストレス者への対応方法もあわせてご確認ください。

健康診断とストレスチェックは同時に実施できる?

結論として、同じ時期にまとめて実施することは可能です。ただし、結果の取り扱いが異なるため、書類や管理は分ける必要があります。

健康診断の受診に合わせてストレスチェックを案内すると、受検率が上がりやすくなります。従業員の来場が1回で済み、担当者の案内の手間も減らせます。実際に、同時期の実施で受検率が改善したという声を担当者の方から何度もうかがいます。

STEP
実施時期をそろえる

健康診断の実施月に合わせ、ストレスチェックの案内を同時に配布します。従業員の負担を1回にまとめます。

STEP
結果の管理は分ける

健診結果は会社が保存し、ストレスチェック結果は実施者が管理します。同意のない個人結果を会社が保持しないよう線引きします。

STEP
事後の対応窓口を用意する

健診の有所見者には就業上の措置を、高ストレス者には医師の面接指導を案内します。相談の入口を分けて設けます。

面接指導の進め方は医師による面接指導の流れで詳しく解説しています。

実施しないと罰則はある?会社が負うリスク

健康診断を実施しない場合、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金が科される可能性があります。ストレスチェックにも、報告を怠ると同様の罰則が定められています。

ストレスチェックでは、実施後に「検査結果等報告書」を労働基準監督署へ提出する義務があります。この報告を怠ると、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金の対象となる場合があります。

罰金の金額以上に痛いのが、未実施が発覚したときの企業の信用低下です。従業員の健康を守る姿勢は、採用や定着にも影響します。未実施のリスクはストレスチェックの罰則で具体的に確認してください。

2028年から50人未満の会社も義務化|今からできる準備

厚生労働省は2025年5月に改正労働安全衛生法を公布し、2028年(令和10年)4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックを義務化しました。これまで努力義務だった小規模な会社も、対応が必要になります。

健康診断はもともと規模を問わず義務でした。今回の改正で、ストレスチェックも対象範囲が健康診断に近づく形になります。義務化の直前は委託先が混み合うため、早めの準備が安心につながります。

  • 自社の従業員数と実施時期を確認する
  • 実施者(医師・保健師など)を確保する
  • 質問票の配布と結果通知の方法を決める

両方の実務をまとめて楽にするなら外部委託

健康診断とストレスチェックは、実施者の確保や結果管理の線引きなど、兼務の担当者には負担が大きい業務です。外部委託を使えば、この手間を大きく減らせます。

ストレスチェックサポートセンターは、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、導入企業のリピート率は9割以上です。数名〜6,000名規模まで100社以上を支援し、最短3日で受検をスタートできます。Web受検・紙受検・併用に対応し、英語・ベトナム語での実施も可能です。

プライバシーマークを継続取得し、個人情報は自社サーバーで管理しています。結果の取り扱いに悩む担当者こそ、専門家に任せる価値があります。委託先の選び方は代行会社の選び方も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

健康診断とストレスチェックの違いについて、担当者からよく寄せられる質問をまとめました。

健康診断でストレスチェックはされるのですか?

健康診断とストレスチェックは別の制度で、健康診断のなかで自動的に行われるわけではありません。健康診断は身体、ストレスチェックは心を調べます。ただし同じ時期にまとめて実施することは可能です。

ストレスチェックの結果は会社にバレますか?

ストレスチェックの個人結果は本人へ直接通知され、本人の同意がなければ会社は閲覧できません。健康診断の結果を会社が把握できる点とは大きく異なります。プライバシーは法律で手厚く守られています。

健康診断とストレスチェックは同時に実施できますか?

同じ時期にまとめて実施できます。従業員の負担が1回で済み、受検率も上がりやすくなります。ただし結果の管理方法が異なるため、健診結果とストレスチェック結果は分けて取り扱ってください。

パートやアルバイトもストレスチェックの対象ですか?

契約期間や労働時間が一定の要件を満たす場合、パートやアルバイトも対象になります。おおむね週の所定労働時間が正社員の4分の3以上で、契約期間が継続する労働者が目安です。詳細は自社の就業実態で確認してください。

ストレスチェックをやらないとどうなりますか?

実施後の報告書を労働基準監督署へ提出しないと、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金の対象となる場合があります。罰則に加え、従業員の健康管理を怠る企業として信用を損なうリスクもあります。

2028年からストレスチェックはどう変わりますか?

2028年(令和10年)4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます。改正労働安全衛生法にもとづく変更です。これまで努力義務だった小規模な会社も、実施の準備が求められます。

まとめ|違いを理解し、両方を無理なく実施しよう

健康診断は「身体」、ストレスチェックは「心」を守る検査です。目的も対象も結果の扱いも異なりますが、どちらも会社の大切な義務。片方だけでは足りません。

特に注意したいのは、結果を会社が見られるかどうかの違いです。ストレスチェックの結果は本人の同意なしに閲覧できません。この一点を押さえるだけで、運用の不安は小さくなります。

2028年には50人未満の会社にも義務が広がります。準備に不安があれば、専門家に相談しながら一緒に進めてください。担当者が本来の仕事に集中できる時間を、少しでも取り戻せるはずです。

参考: 厚生労働省 ストレスチェック制度e-Gov 労働安全衛生法

この記事の編集・監修体制
信頼性の高い情報発信
編集・監修:ストレスチェックサポートセンター編集部

本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。

ストレスチェック支援実績
9年連続
健康経営優良法人に認定
3〜20,000名規模
受検人数を問わず、幅広く支援しております。
100社以上
一般企業から自治体まで、多数の支援実績がございます。
運営会社情報

シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。

健康経営優良法人2026 中小規模法人部門 ネクストブライト1000
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次