「EAPとストレスチェックって、何が違うの?」と聞かれて、すぐ答えられる担当者は多くありません。どちらもメンタルヘルス対策の用語なので、混同しやすいですよね。この記事では、両者の違いと自社に合った使い分けを整理します。
この記事でわかること
- EAPとストレスチェックの違い(比較表つき)
- EAP導入のメリット・デメリットと向いている会社
- 中小企業が迷わない使い分けの4ステップ
結論から先に:ストレスチェックは、労働安全衛生法第66条の10に基づく年1回の「検査」です。一方のEAPは、企業が任意で導入する従業員支援プログラムを指します。義務か任意か、「測る」か「支える」かが最大の違いです。
EAPとストレスチェックの違いとは?【比較表で確認】
EAPとストレスチェックの違いは、法律上の義務の有無と、担う役割(測定か支援か)の2点に集約されます。
EAPとは、従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)の略です。従業員や家族の悩みを、カウンセラーなど専門家への相談で支える仕組みを指します。読み方は「イーエーピー」。社内に窓口を置く形と、外部機関に委託する形があります。
ストレスチェックとは、労働者のストレス状態を年1回、質問票で調べる検査です。労働安全衛生法第66条の10に基づき、常時50人以上の事業場では実施が義務付けられています。まず両者を表で見比べてみましょう。
| 比較項目 | ストレスチェック | EAP |
|---|---|---|
| 法的な位置づけ | 義務(労働安全衛生法第66条の10) | 任意 |
| 主な役割 | ストレス状態の測定・気づき | 相談対応・問題解決の支援 |
| 実施の頻度 | 年1回以上 | 通年(随時相談) |
| 実施する人 | 医師・保健師などの実施者 | EAP機関のカウンセラーなど |
| 対象の範囲 | 在籍する労働者 | 従業員本人+家族を含む場合が多い |

相談者ストレスチェックをやっていれば、EAPは要らないのでしょうか?



役割がまったくの別物なんです。ストレスチェックは不調の芽を「測る」仕組み、EAPは悩みを「支える」仕組み。まずは義務であるストレスチェックを確実に回すのが先ですよ。
内部EAPと外部EAPの違い
EAPには2つの形があります。内部EAPとは、企業内に専門スタッフを置いて相談対応する形です。外部EAPとは、専門機関に委託して社外に相談窓口を設ける形を指します。
内部EAPは相談への距離が近い反面、「社内の人に知られたくない」という心理的ハードルが残ります。専任スタッフの確保も必要になるため、従業員300名以下の会社では外部EAPの利用が現実的です。
ストレスチェックだけでは不十分?EAPが注目される背景
厚生労働省「こころの耳」によると、令和7年度の精神障害に関する労災請求は4,958件です。前年度から1,178件の増加でした。心の不調への対応は、年1回の検査だけでは完結しない段階に来ています。
制度の側も動いています。2025年5月公布の改正労働安全衛生法で、義務の対象は労働者数50人未満の事業場へ広がります。施行日は2028年4月1日です(出典:厚生労働省 ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策)。
私も当センターの窓口で、総務担当者の悩みを毎年のように伺います。多いのは「チェックはしたが、フォローまで手が回らない」という声です。だからこそ、検査の後を支える体制としてEAPが注目されているわけです。
とはいえ、いきなりEAP契約まで踏み込む必要はありません。ストレスチェックの実施からフォローまで外部に任せる方法もあります。体制づくりに迷ったら、まず費用感だけでも確認してみてください。
EAP導入のメリット・デメリット
EAP導入の主なメリットは、専門家につながる相談窓口を社外に確保でき、人事や管理職だけで抱え込まずに済む点です。
具体的には、次のような効果が期待できます。
- 従業員が社内に知られずに専門家へ相談できる
- 管理職・人事の対応負担が軽くなる
- 休職・離職の予防や復職支援につながる
一方で、注意点も押さえておきましょう。
費用が継続的にかかること、社内への周知が弱いと利用されず形骸化することの2点がデメリットです。従業員数十名の規模で相談件数が見込めない会社では、費用対効果が合いにくくなります。
判断の軸は、実際に利用される見込みがあるかどうか。高ストレス者の人数や相談ニーズをストレスチェックの結果から把握したうえで、導入を検討してください。
中小企業はどう使い分ける?優先順位の4ステップ
中小企業では、まず義務であるストレスチェックの運用を固め、その後にEAPを検討する順番が現実的です。
まず実施者(医師など検査の責任者)と、社内の運営担当である実施事務従事者を決めます。そのうえで、年1回の受検を確実に回します。外部委託を使えば、案内文の作成から結果管理まで社内の作業を大きく減らせます。
高ストレス者の人数や面談の状況を見て、常設の相談窓口が必要ならEAPや外部相談サービスの追加を判断します。順番はあくまで最後です。


私はこれまで100社以上の導入をお手伝いしてきました。その実感では、年1回の運用が安定した会社ほどフォロー体制の議論が早く進みます。検査結果という共通のデータがあると、経営層の理解も得やすいのです。
迷ったら外部委託でまとめて整える方法もあります
ストレスチェックの実施を外部委託すると、義務対応とフォロー体制づくりを一度に前へ進められます。
当センターは9年連続で経済産業省の健康経営優良法人に認定され、リピート率は9割以上です。Web受検・紙受検・併用のすべてに対応し、最短3日で受検を始められます。英語・ベトナム語にも対応しているので、外国人従業員が多い職場でも安心です。



「EAPまで必要かどうか分からない」という段階のご相談も歓迎です。結果データを見ながら、次の一手を一緒に考えましょう。
EAPとストレスチェックのよくある質問
検索でよく調べられている疑問に、ひとつずつお答えします。
- EAPとはどういう意味ですか?
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EAPは従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)の略称です。従業員の心の不調や仕事・家庭の悩みを、カウンセリングなどで支援する企業向けの仕組みを指します。読み方は「イーエーピー」です。
- EAPとはメンタルヘルスのことですか?
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メンタルヘルスそのものではなく、企業のメンタルヘルス対策を外部から支えるサービスの名称です。相談窓口の提供や復職支援などを通じて、従業員の心の健康づくりをサポートします。
- ストレスチェックはEAPで代用できますか?
-
代用はできません。ストレスチェックは労働安全衛生法第66条の10に基づき、医師など実施者による年1回の実施が求められます。EAP機関がストレスチェックも請け負う場合は、両方をまとめて委託できます。
- 内部EAPのデメリットは?
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相談相手が社内の人になるため、「知られたくない」という心理的ハードルが生まれやすい点です。専任スタッフの人件費も継続的にかかるので、中小企業では外部EAPや外部委託の活用が現実的です。
- EAPで相談できる内容は?
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仕事のストレスや人間関係だけでなく、家庭やお金、健康の悩みまで幅広く相談できます。サービスによっては従業員の家族も利用でき、電話・オンライン・対面など相談方法もさまざまです。
- 50人未満の会社もストレスチェックが必要ですか?
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2025年5月公布の改正労働安全衛生法で、ストレスチェック義務の対象は50人未満の事業場へ広がります。施行日は2028年4月1日です。現在は努力義務の段階のため、施行までに実施体制を整えることが求められます。
まとめ:違いを知って、必要な体制から順に整えましょう
ストレスチェックは労働安全衛生法第66条の10に基づく義務の検査、EAPは任意で導入する支援サービスです。役割が違うため、どちらか一方で置き換えることはできません。
中小企業の最初の一歩は、義務であるストレスチェックの安定運用から。高ストレス者対応と集団分析まで回せるようになってから、EAPの要否を判断すれば無駄がありません。
「うちの規模だと何から始めるべき?」と迷ったら、遠慮なくご相談ください。導入実績100社以上の経験から、御社に合う進め方をご提案します。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












