届いたストレスチェックの結果を前に、どこをどう読めばいいか迷っていませんか。専門用語やグラフが並び、担当者としてどう説明すればよいか困りますよね。この記事では、総務・人事のご担当者に向けて、個人結果シートの見方と、結果が出た後の対応をやさしく整理します。
この記事でわかること
- 個人結果シートに書かれている項目と、その意味
- レーダーチャートや素点、高ストレス者の判定基準の読み方
- 「高ストレス」と出たあとに会社がとる対応
結論から先に:ストレスチェックの個人結果は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」という3つの領域を、レーダーチャートと点数で示したものです。心身のストレス反応が強く、サポートも乏しい人が「高ストレス者」と判定されます。まず見るべきは、この反応の強さです。
ストレスチェックの結果には何が書かれている?
ストレスチェックの個人結果シートには、3つの領域ごとの点数、全体をまとめたレーダーチャート、そして高ストレス者かどうかの判定が記載されます。この3点を押さえれば、結果はぐっと読みやすくなります。
ストレスチェックとは、質問票を使って自分のストレスの状態を把握する簡単な検査です。労働安全衛生法第66条の10にもとづく制度で、目的は不調の未然防止にあります。あくまで一次予防のための仕組みです。
結果シートは、実施者から本人へ直接届きます。会社が中身を勝手に見ることはできません。まず、この前提を押さえてください。
シートに載る主な要素は、次の3つ。
- 3つの領域ごとの点数(素点・評価点)
- 領域をまとめて表示したレーダーチャート
- 高ストレス者に該当するかどうかの判定
私自身、はじめて結果票を見るご担当者から「どこを見ればいいの?」と聞かれることが多くあります。ポイントさえ分かれば、読み方はむずかしくありません。
結果の土台「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」の3領域とは?
多くの企業が使う「職業性ストレス簡易調査票(57項目版)」は、仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートという3つの領域で構成されます。結果を読むには、この領域の意味を知るのが近道です。
職業性ストレス簡易調査票とは、厚生労働省が推奨する57項目の質問票です。ストレスの原因・心身の反応・周囲の支えを、まとめて測れるのが特長です。
| 領域 | 何を測るか | 質問数 |
|---|---|---|
| A 仕事のストレス要因 | 仕事の量や質、対人関係などの「原因」 | 17問 |
| B 心身のストレス反応 | イライラ・不安・疲労などの「結果」 | 29問 |
| C 周囲のサポート | 上司・同僚・家族からの支え | 9問 |
この3領域の合計が57項目です。なかでも大切なのが、領域B「心身のストレス反応」。ここが強く出ているほど、早めのケアが求められます。
相談者項目数が多くて、どこを重視すればいいのか分かりません…。



まずは領域B「心身のストレス反応」に注目してください。ここが高い方は、いままさに負担を抱えているサインです。あわせて領域Cのサポートが乏しくないかも見ると、対応の優先順位がつけやすくなりますよ。
レーダーチャート・素点・評価点の見方は?
個人結果は、回答を点数化した「素点」を尺度ごとに集計し、5段階の「評価点」に換算して、レーダーチャートで表示します。数字とグラフの関係が分かると、読み解きが速くなります。
素点とは、各質問への回答を点数にしたものです。多くの調査票では、4段階の回答をそれぞれ1〜4点で数えます。
この素点を尺度ごとにまとめ、「素点換算表」で1〜5の評価点に置きかえます。評価点が5に近いほど、その項目の状態が良いことを示します。
レーダーチャートは、この評価点を放射状に並べた図です。外側に広がるほど良好、中心に近いほど負担が大きい、と読みます。全体のバランスが、ひと目でつかめます。
読む順番に迷ったら、次の3ステップで確認してください。
まず、いま負担が出ているかを確認します。ここが低い方は、早めのケアを考えたいサインです。
次に、支えの状況を見ます。反応が強く、かつサポートも乏しい方は、優先して気にかけてください。
最後に、シートの判定欄を見ます。該当していれば、面接指導の案内につなげます。


各尺度を棒グラフで並べる方式もあります。どちらも見方は同じで、良い・悪いの方向を最初に確認するのがコツです。
私の経験では、数字より先に「チャートのへこみ」を見るほうが、担当者も直感的につかめます。へこんだ方向に、負担が集中しています。
高ストレス者はどう判定される?(判定基準と割合)
高ストレス者とは、心身のストレス反応が強い人、または反応がやや強く仕事の負担が大きくサポートも乏しい人を指し、評価点の合計をもとに判定されます。判定は、実施者が定めた基準にそって機械的に行われます。
高ストレス者とは、質問票の評価で強いストレス状態と判定された人のことです。数値で線引きするため、担当者の主観は入りません。
厚生労働省のマニュアルは、判定に使う数値基準の例を示しています。代表的な考え方は、次の2つ。
- 心身のストレス反応(領域B)の合計が高い人
- 心身のストレス反応がやや高く、かつ仕事のストレス要因と周囲のサポート(領域A+C)の合計が高い人
数値基準の一例:厚生労働省のマニュアルは、判定の数値例を示しています。①心身のストレス反応の評価点合計が77点以上。②同合計が63点以上で、かつ仕事のストレス要因と周囲のサポートの合計が76点以上。このどちらかに当てはまると、高ストレス者です。基準は実施者が事業場に合わせて設定します。
ざっくり言うと、心の不調のサインが強い人。あるいは、その手前で仕事の負担が重く、支えも足りない人です。点数の暗記は不要で、この考え方だけ押さえれば十分です。
厚生労働省は、高ストレス者がおおむね受検者の10%程度になるよう基準を設ける例を示しています。ただし、この割合はあくまで目安です。事業場や設定した基準によって変わります。
判定は、あくまで一次的なもの。数値だけで「病気」と決まるわけではありません。強い反応が出ている人に、早く気づくための仕組みだと捉えてください。
「高ストレス」と判定されたら会社は何をする?
高ストレス者と判定され、本人から申出があれば、会社は医師の面接指導を行うことが求められます(労働安全衛生法第66条の10)。実施の目安は、申出からおおむね1か月以内です。会社側の対応は、この面接指導が中心になります。
面接指導とは、医師が本人と面談し、心身の状態や働き方を確認する仕組みです。結果に応じて、労働時間の短縮など就業上の措置を検討します。
ただし面接指導は、本人の申出があってはじめて実施されます。会社から強制はできません。結果票には、申出の窓口や方法もあわせて案内してください。


ここで注意したいのが、結果の取り扱いです。個人の結果は、本人の同意なく会社へ開示されません。誰が申し出たのかを詮索するような対応は、避けてください。
高ストレス者への具体的な接し方は、高ストレス者への対応ページで詳しく解説しています。面接指導の流れは面接指導のページもあわせてご覧ください。
個人結果を集団分析と職場改善に活かすには?
個人が特定されない形で結果を部署ごとに集計する「集団分析」を使えば、職場のどこに負担が集中しているかが見え、改善につなげられます。個人結果は、職場を良くするヒントにもなります。
集団分析とは、個人結果を部署や職種ごとにまとめ、集団としての傾向を読み解く手法です。個人が特定されないよう、原則10人以上の単位で行います。
たとえば、ある部署だけ「仕事の量」の負担が突出していれば、業務の偏りが疑われます。個人の判定とは違い、職場そのものの課題が浮かび上がります。私自身、集団分析をきっかけに配置を見直せた職場を何度も見てきました。
厚生労働省は2026年6月、集団分析の実施方法について労働安全衛生規則の改正を行いました。活用の重要性は、年々高まっています。集団分析の読み解き方は、集団分析のページで詳しく紹介しています。
実務では、受検率が低いと集団分析の精度も下がります。受検率を上げる工夫は、受検率を上げるポイントのページが参考になります。
ストレスチェックサポートセンターは、リピート率9割以上、導入実績100社以上のサービスです。結果の集計から集団分析、面接指導の手配まで、一括で対応できます。個人情報は自社サーバーで管理し、プライバシーマークを継続取得しています。
当社は経済産業省「健康経営優良法人」に9年連続で認定されています。Web受検・紙受検・併用に対応し、英語・ベトナム語での受検も可能です。最短3日で受検をスタートできます。
ストレスチェック結果の見方に関するよくある質問
結果の見方や取り扱いについて、ご担当者からよく寄せられる質問をまとめました。判断に迷ったときの参考にしてください。
- ストレスチェックの結果は誰が見られますか?
-
個人の結果は実施者が管理し、本人の同意がなければ会社に開示されません。会社が見られるのは、原則10人以上を集計した集団分析の結果だけです。担当者でも、個人の点数を勝手に確認することはできません。
- レーダーチャートはどう読めばいいですか?
-
評価点を放射状に示した図で、外側へ広がるほど状態が良く、中心に近いほど負担が大きいと読みます。へこんでいる方向に、ストレスが集中しています。まずは全体のバランスと、へこみの位置を確認してください。
- 高ストレス者はどのくらいの割合で出ますか?
-
厚生労働省は、高ストレス者がおおむね受検者の10%程度になるよう基準を設ける例を示しています。ただし割合は、事業場や設定した基準によって変わります。あくまで目安として捉えてください。
- 高ストレスと判定されたら必ず面接指導を受けますか?
-
面接指導は本人からの申出があった場合に行われ、強制ではありません。会社は申出の窓口を案内し、申出があればおおむね1か月以内に医師の面接指導を実施します(労働安全衛生法第66条の10)。
- 結果が「高ストレス」でも会社に知られませんか?
-
判定結果は本人に直接届き、同意がなければ会社に開示されません。本人が申出をしない限り、会社が個人の判定を知ることはありません。プライバシーは制度上、守られる仕組みです。
- 素点と評価点は何が違いますか?
-
素点は各質問の回答を点数にした生の数字で、評価点は素点を尺度ごとにまとめて1〜5に換算した数字です。レーダーチャートには、この評価点が使われます。高ストレス者の判定にも、評価点の合計を用います。
まとめ:結果は「反応の強さ」と「サポート」から読む
個人結果の見方は、3つの領域とレーダーチャートを押さえれば難しくありません。まず心身のストレス反応の強さを見て、次にサポートの状況を確認する。この順番が基本です。
高ストレスと判定されても、それは早く気づくためのサイン。会社は面接指導の窓口を案内し、プライバシーに配慮した対応を心がけてください。結果を集団分析で活かせば、職場改善の一歩になります。
2028年の義務化拡大に向けて、結果の読み方と対応の流れを今から整えておくと安心です。迷ったら、一度ご相談ください。私たちが、読み解きから対応まで伴走します。
制度の根拠や最新情報は、厚生労働省のストレスチェック制度ページや、労働安全衛生法(e-Gov法令検索)で確認できます。働く方の相談先はこころの耳が参考になります。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












