厚労省ストレスチェックプログラムの設定をステップ形式で解説(その1)

厚生労働省が無料で提供している「ストレスチェック実施プログラム」は、コストを抑えつつ法定のストレスチェック制度を適切に実施するための強力なツールです。

しかし、初めて触れる担当者にとっては「どこから手をつければいいのか」が最大の壁となります。本記事では、プログラムの設置から、実施前のマスター登録までをわかりやすく解説します。

目次

1. ストレスチェック制度の目的と法的背景

まず、実務に入る前に、本制度の本来の目的を確認しておきましょう。

ストレスチェック制度は、労働安全衛生法(第66条の10)に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場に対して毎年1回の実施が義務付けられています 。 その最大の目的は、労働者の「メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)」にあります 。

「労働者が自らのストレスの状況を客観的に把握し、気づきを得ることでセルフケアを促進するとともに、事業者が集団分析を通じて職場環境の改善を図ることが本制度の根幹です。」

2. プログラムの設置とログイン

厚労省のプログラムは、複雑なインストール作業は不要ですが、正しい場所に配置する必要があります。

① プログラムのダウンロードと展開

厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムの公式サイトから最新版(Ver.4.0)をダウンロードします。 ダウンロードしたZIPファイルを右クリックして「すべて展開」を行い、サーバーや社内の共用PCの適切なディレクトリ(フォルダ)に配置してください 。
厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムの公式サイト:https://stresscheck.mhlw.go.jp/

② ログイン方法

「StressCheck.exe」をダブルクリックして起動します。ログイン画面が表示されたら、初期パスワードを入力してログインします。

  • 初期パスワード: stresscheck (※ログイン後、セキュリティ保護のため必ず独自のパスワードに変更してください 。)

3. 初期設定(パスワード・環境設定)

ログイン後、まず最初に行うのが「③ 初期設定」画面での作業です。

  • パスワード変更: 管理者用パスワードを他人に推測されない強固なものに設定します 。
  • 環境設定: 事業場名(会社名)や、データの保存先などの基本情報を入力します。
  • 面接指導医の登録: ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された従業員が申し出た際に面接を行う医師(産業医など)の情報をあらかじめ登録しておきます 。

4. 実施前のマスターデータ登録

受検を開始する前に、以下の3つの画面で情報を整えます。

「① 実施管理」の作成

今回のストレスチェックの「名称」や「受検期間」を設定します。

  • 例:令和8年度 ストレスチェック
  • 期間:○月○日 〜 ○月○日 ここで設定した期間中のみ、従業員は受検が可能になります 。

「② 職場情報」の登録

部署名や課名を登録します。 CSVファイルによる一括取り込みも可能ですが、少人数の場合は画面上で「追加」ボタンから直接入力する方がスムーズです 。Ver.4.0からは職場コードの入力制限が緩和され、より柔軟な命名ができるようになっています

「③ 受検者情報」の登録

最も重要なのが、従業員(受検者)のリストです。

  • 受検者ID: 社員番号など、個人を識別できる番号を割り振ります。
  • ログインパスワード: 各受検者がログインするためのパスワードを発行します。 これらは、CSV形式のサンプルファイルに合わせてデータを作成し、インポート機能を使うとよいです 。

実務担当者へのアドバイス

初期設定において最も注意すべきは、「実施者の権限」です。 ストレスチェックの実施にあたっては、人事権を持つ人が、個人の回答結果に直接アクセスすることは法律で制限されています 。

プログラム上でも、誰がどの権限でログインするかを明確に分け、プライバシー保護を徹底することが、従業員の受検率向上と信頼確保につながります。


(その2に続く:次回は「実施の実務と判定」を詳しく解説します)

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