身体的な異常がないにもかかわらず、突然症状が現れるパニック障害。先日、格闘家の武尊さんが公表したことで注目を集めました。
今回はパニック障害の概要や、その対処法をまとめました。
パニック障害とは?
頻度が高い心の病気の一つであるパニック障害は、多くの場合、30歳前後の健康な人が急に動悸、めまい、息苦しさ、発汗、手足の震えなどの強い身体症状を経験します。
パニック障害の特徴は、これらの身体症状に加えて強い不安感を伴うことです。パニック障害に罹った人は、死んでしまうのではないか、気が狂ってしまうのではないかなど、深刻な不安感に襲われます。特に通勤・通学中の満員電車の中で発作が起こることが最も多いと言われていますが、時には自宅に一人でいる時にも起こり得ます。
また、家族や親しい人が一緒だと不安が軽減されることも特徴の一つです。外出中に発作が起きることを恐れ、外出が難しくなることもあります。そのため、多くの場合行動が制限されることになります。
職場のストレスとの関係性
職場でのストレスが原因で、パニック障害が発症することがあります。
例えば、職場に向かう途中で不安発作が起こり、その他の場面では発症しないという場合、職場のストレスが原因である可能性があります。
このような場合、職場環境の改善が治療の重要なポイントになります。ただし、本人のストレス耐性の弱さが関連していることもありますので、ストレスの原因を判断するには、産業医やカウンセラー等のメンタルヘルスの専門家と相談する必要があります。
日々の対策
もしパニック障害になってしまった場合、どのように対処すればよいのか一例をご紹介します。
職場にパニック障害への理解・配慮を求める
職場に対して、パニック障害を理解してもらい、配慮してもらうためには、自分がパニック障害と診断されたことを隠さず申告しましょう。雇用者が病気や障害を理由に採用しないことは違法であり、解雇する場合も適切な手続きが必要です。逆に、隠して働き続けた場合、同僚は突然の発作や不安に驚き、仕事に影響が出る可能性もあります。
このような事情が発生することを避けるためにも、職場にパニック障害の症状が現れた場合の自分の対処方法、そして周囲に求めるべき配慮などを明確に伝える必要があります。
発作を予防する対策を考える
パニック発作を起こす原因となる状況を避けるため、通勤手段を変えたり、電車の満員時間を避けた時差出勤に変更できるか職場に相談してみましょう。職場で不安を感じる場所や状況がある場合は、デスクや会議室の配置を変更してもらったり、スマホを確認したり音楽を聴いたりすることで気分を落ち着かせましょう。また、自分に合った対処方法を普段から実践し、職場にも伝えることで、発作を予防することができます。
さらに、在宅勤務の可能性についても職場に確認しておくことで、緊急時に自宅で仕事をすることができ、発作を起こすリスクを減らすことができます。
重症の場合休職も考える
過度のストレスや過労により、予期不安や発作が強くなり、職場に出勤することが困難になった場合は、思い切って休職することも必要です。パニック障害に苦しむ人は真面目で責任感が強い人が多く、この判断を独りで行うのは難しい場合が多いため、産業医やカウンセラーに相談しましょう。医師が勧めた休職には従い、治療に専念することは、前進するための小休止と捉えましょう。
まとめ
今回はパニック障害の内容や対策をご紹介しました。
パニック障害に罹った人の中には、自分がストレスにさらされていることに気付いていない人が多いかもしれません。自分のストレス状態を把握するためには、ストレスチェックを受けたり、産業医やカウンセラーに相談したりすることが大切です。
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