「ストレスチェックって、いつやるのが正解なんだろう」。担当になって最初に迷うのが実施時期ですよね。実は法律で月は決まっておらず、決め方にはコツがあります。この記事で、おすすめの時期と避けたい時期をまとめて整理します。
この記事でわかること
- 法律上のルールは「1年以内ごとに1回」だけということ
- おすすめの実施時期と、避けたほうがよい4つの時期
- 実施時期を決める5ステップと、遅れたときの立て直し方
結論から先に:ストレスチェックの実施時期は、1年以内ごとに1回であれば会社が自由に決められます(労働安全衛生規則第52条の9)。繁忙期を避けた6〜7月または10〜11月に、毎年同じ時期で固定する方法が定番です。
ストレスチェックの実施時期はいつがおすすめ?
ストレスチェックの実施時期は、繁忙期を外したうえで毎年同じ時期に固定するのが基本です。私がこれまで支援してきた企業でも、目立つのは6〜7月と10〜11月の実施。全社の業務が比較的落ち着く月が選ばれています。
ストレスチェックとは、仕事によるストレスの状態を質問票で調べる検査のことです。結果は本人に直接通知されます。本人の同意がない限り、会社が結果を見ることはできません。
定期健康診断とセットで実施してもいい?
定期健康診断と同じ時期にストレスチェックを実施する方法は、案内と受検管理を一本化できるため受検率が上がりやすい選び方です。健診が6月前後の会社なら、そのまま6〜7月に重ねる形になります。
注意点は、結果の扱いが健診とはまったく別だということです。健診結果は会社が把握しますが、ストレスチェックの結果は本人の同意がなければ会社は見られません。案内文でもこの違いを一言添えると、従業員の警戒感が和らぎます。
相談者健康診断と同じ日にまとめてしまって、本当に大丈夫ですか?



大丈夫です。案内も回収も1回で済むので、受検率はむしろ上がりやすくなります。ただし結果の管理は別々です。回収後の流れだけ、事前に委託先と確認しておいてください。
毎年同じ時期に固定すると集団分析が活きる
実施時期を毎年固定する最大の理由は、集団分析の年次比較ができることです。季節要因をそろえて測ることで、「昨年より営業部の負担が増えた」といった変化を正しく読み取れます。時期がばらつくと、この比較が成り立ちません。
集団分析は制度側でも扱いが強化されています。厚生労働省は2026年6月30日に労働安全衛生規則を改正し、集団分析を特定の個人を識別できない方法で実施することを新たに規定しました(2027年4月1日施行)。活用の仕方は集団分析の解説記事で詳しく紹介しています。


実施時期に法律の決まりはある?「1年以内ごとに1回」が原則
ストレスチェックは、労働安全衛生法第66条の10と労働安全衛生規則第52条の9により、1年以内ごとに1回・定期に実施することが事業者に求められます。何月に実施するかの定めはありません。
つまり「前回の実施から1年を超えない」ことだけが絶対条件です。条文はe-Gov法令検索(労働安全衛生法)で確認できます。年度内のどこに置くかは、会社の事情で設計してよい部分です。
実施後の流れにも期限がある
時期を決めるときは、実施後の期限もセットで考える必要があります。結果は受検者へ遅滞なく通知します。高ストレス者から申出があれば、医師による面接指導をおおむね1か月以内に実施することが求められます。
面接指導の後には、就業上の措置の検討まで続きます。年末や年度末ぎりぎりの実施だと、この後工程が翌年度にずれ込みがちです。メンタルヘルス対応の基礎知識は、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」も参考になります。
労働基準監督署への報告は年1回
常時50人以上の事業場は、実施状況を検査結果等報告書(様式第6号の2)で所轄の労働基準監督署へ年1回報告します。2025年1月からは、この報告の電子申請が原則になりました。報告時期も見据えて、実施月を決めてください。
2028年4月からは50人未満の事業場も対象に
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます。詳細は厚生労働省のストレスチェック制度ページで周知が進んでいます。
初めて実施する会社ほど、時期の設計には余裕が要ります。義務化の直前は委託先の予約も混み合うため、いま努力義務の事業場も早めに実施月を仮決めしておいてください。
「自社の場合はいつが最適か」を個別に相談したい方は、無料のお見積りからどうぞ。従業員数と希望時期をうかがえば、その場で概算をお出しできます。
避けたほうがよい4つの時期
避けるべきなのは、従業員が「ふだんどおりの状態」で回答できない時期です。一時的な負荷や環境変化が数値に乗ると、職場の実態と分析結果がずれてしまいます。代表的な4つを挙げます。
| 避けたい時期 | 理由 |
|---|---|
| 繁忙期・決算期 | 回答が後回しになり受検率が下がる。残業増で結果も一時的に悪化しやすい |
| 人事異動・組織改編の直後 | 環境変化のストレスが上乗せされ、部署ごとの分析が実態とずれる |
| 大型連休の直後 | 休み明け特有の気分の落ち込みが回答に反映されやすい |
| 新入社員の受け入れ直後 | 新人は環境適応の途中で数値が安定せず、教育側の負荷も高い |
ポイントは、繁忙期との距離。カレンダー上の空きではなく、現場の業務量で判断してください。総務は落ち着いていても、営業や製造は繁忙のピークということがよくあります。
実施時期を決める5つのステップ
実施時期は、次の5ステップで決めると迷いません。初めての担当者の方は、上から順に進めてください。
営業・製造・管理部門それぞれの繁忙月を年間カレンダーに書き出します。全社が比較的落ち着く月が、実施時期の候補です。
実施時期・体制・結果の取り扱いは衛生委員会で調査審議し、社内規程に落とします。毎年の時期をここで固定しておくと、翌年以降の準備が楽になります。
産業医や外部機関の予定を押さえます。秋は委託先の繁忙期にあたるため、希望月の2〜3か月前には打診してください。
結果通知、面接指導の申出対応、労働基準監督署への報告までを逆算します。実施月から報告まで、3か月程度を見込んだ計画が安全です。


実施時期が遅れてしまったときの立て直し方
前回実施から1年が迫っていても、Web受検なら短期間で立て直せます。紙の調査票の印刷や配布が不要なため、準備期間を大幅に圧縮できるからです。
年明けになると「年度内に間に合いますか」というご相談を毎年いただきます。私の実感では、担当者の交代や繁忙期のずれ込みが原因のケースがほとんどで、決して珍しい状況ではありません。焦らず、まず外部機関に日程を相談してください。
当センターは9年連続で経済産業省の健康経営優良法人に認定されており、自社でも毎年同じ時期の実施を続けています。時期の固定がどれだけ運用を楽にするかは、当事者として実感しているところです。
よくある質問
実施時期について、担当者の方からよくいただく質問をまとめました。
- ストレスチェックはいつ実施するのでしょうか?
-
法律上は1年以内ごとに1回であれば、実施する月は自由です。繁忙期を避けた6〜7月や10〜11月に、毎年同じ時期で実施する会社が多くみられます。
- ストレスチェックは1年に1回ですか?
-
はい。労働安全衛生規則第52条の9により、1年以内ごとに1回・定期に実施することが求められます。年2回以上実施しても問題ありません。
- 実施時期を毎年変えてもいいですか?
-
前回から1年以内であれば法令違反にはなりません。ただし季節要因で結果が揺れ、集団分析の年次比較がしにくくなります。特別な事情がなければ毎年同じ時期に固定してください。
- 健康診断と同時に実施できますか?
-
できます。案内と受検管理を一本化でき、受検率も上がりやすい方法です。ただし結果は健康診断とは別に管理し、本人の同意なく会社が閲覧することはできません。
- 入社したばかりの従業員も対象になりますか?
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実施日時点で在籍し、契約期間と労働時間の要件を満たす人は対象です。対象者リストは実施日を基準に確定させてください。入社直後は数値が安定しにくいため、全社の実施時期を新人受け入れ直後に置くのは避けたほうが無難です。
- 年度内に実施が間に合わない場合はどうなりますか?
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前回の実施から1年を超えると、法令違反となる可能性があります。Web受検であれば短期間で開始できるため、早めに外部機関へ相談してください。当センターでは最短3日で受検を開始できます。
まとめ:実施時期は「繁忙期を避けて毎年固定」が正解
ストレスチェックの実施時期は、1年以内ごとに1回という条件さえ守れば自由に設計できます。繁忙期・異動直後・連休明け・新人受け入れ直後を避け、毎年同じ時期に固定する。この2点を押さえれば、受検率も集団分析の精度も安定します。
2028年4月には50人未満の事業場への義務化も控えています。時期の設計から受検の運用まで、迷ったら一人で抱え込まずご相談ください。貴社の年間スケジュールに合わせた進め方を、一緒に考えます。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












