ストレスチェックが終わってほっとしたのも束の間、「労基署への報告」という仕事が残っていますよね。様式のどこに何を書くのか、いつまでに出すのか、調べるだけでも正直面倒だと思います。
この記事では、報告書(様式第6号の2)の基本から電子申請の手順、忘れた場合の対処法までを一気に整理します。100社以上のストレスチェックを支援してきた運営元の経験も交えて解説します。
この記事でわかること
- 労基署報告の義務がある事業場と、提出期限・提出先
- 電子申請(e-Gov)での提出手順と、報告書の項目別の書き方
- 提出を忘れた場合の罰則リスクと、今からできる対処法
結論から先に:常時50人以上の労働者を使用する事業場は、ストレスチェックの結果報告書(様式第6号の2)を1年以内ごとに1回、所轄の労働基準監督署へ提出することが求められます(労働安全衛生規則第52条の21)。2025年1月からは電子申請が原則です。
ストレスチェック報告書(様式第6号の2)とは?提出は義務?
ストレスチェックの労基署報告は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に義務づけられた手続きです(労働安全衛生法第100条、労働安全衛生規則第52条の21)。
まず、報告書そのものの位置づけから確認しましょう。名前は長くて堅苦しいですが、中身はA4判1枚のシンプルな様式です。
「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」とは、ストレスチェックの実施状況を労働基準監督署へ知らせるための報告書です。ざっくり言うと「今年もきちんと実施しました」という国への実施報告にあたります。様式番号から「様式第6号の2」とも呼ばれます。
報告するのは、受検者数や面接指導の人数といった「集計値」だけです。誰が高ストレスだったかなど、個人の検査結果は一切記載しません。この点は従業員の方にも安心して伝えてください。
相談者実施はストレスチェック業者に委託しています。報告書も業者が出してくれるのでしょうか?



提出義務を負うのはあくまで事業者(会社)です。ただし、委託先が報告書の下書きまで用意してくれるケースは多いですよ。当センターでも数値を埋めた状態でお渡ししています。
ストレスチェック制度の全体像をおさらいしたい方は、こちらの記事から読むと理解が早くなります。


報告書の提出期限はいつまで?提出先と頻度
報告書の提出は「1年以内ごとに1回」と定められており、法令上の統一された締切日はありません(労働安全衛生規則第52条の21)。
「◯月◯日まで」という全国共通の期日がない点が、健康診断の報告と混同しやすいところです。基本のルールを表で整理します。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 提出義務がある事業場 | 常時50人以上の労働者を使用する事業場 |
| 頻度 | 1年以内ごとに1回(実施のたびに報告) |
| 期限 | 統一期日なし。実施後に遅滞なく提出する運用が一般的 |
| 提出先 | 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署 |
| 提出単位 | 事業場ごと(本社での一括提出は不可) |
期日がないからこそ、社内で「実施月の翌々月末までに提出」など目安を決めておくと忘れません。私がサポートで関わった企業でも、期日を決めていなかったために報告が翌年にずれ込んだケースがありました。
支店や工場が複数ある会社は要注意。50人以上の事業場それぞれが、別々の労基署へ提出する仕組みです。
電子申請が原則に。e-Govでの提出手順
労働安全衛生規則の改正により、2025年1月1日からストレスチェック報告書を含む一部の報告は電子申請が原則となりました。
提出には国の電子申請システム「e-Gov」を使います。初めてでも、流れさえつかめば1時間もかかりません。手順は次の4ステップです。


手続検索で「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告」を探します。「ストレスチェック」の語では見つかりにくいので、正式名称の一部で検索してください。
画面の様式に実施年月日や人数などを入力し、提出先の労働基準監督署を選んで送信します。入力内容は送信前に必ず見直してください。
送信後に発行される到達番号と控えのデータを保存します。翌年の報告時に前年の控えがあると、入力が格段に楽になります。
どうしても電子申請が難しい事情がある場合は、書面での提出も受け付けられています。様式は厚生労働省のストレスチェック制度ページからダウンロードできます。
毎年の実施から数値の準備まで手放したい方は、外部委託の見積りが比較材料になります。迷ったら気軽に相談してください。
報告書の書き方【項目別のポイント】
報告書に記載するのは、実施時期・人数・実施者など事業場単位の集計情報だけです。書き方のポイントを項目別に押さえれば、作成自体は30分ほどで終わります。


| 主な記載項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 検査実施年月日 | 複数回・複数日に分けて実施した場合は最後の日付を記入 |
| 在籍労働者数 | 検査実施時点で常時使用している労働者の人数 |
| 検査を受けた労働者数 | 実際に受検した人数(受検率の根拠になる数字) |
| 面接指導を受けた労働者数 | 医師による面接指導まで実施した人数 |
| 集団ごとの分析の実施の有無 | 集団分析を行ったかどうかをチェック |
| 検査を実施した者・産業医 | 実施者(医師等)と産業医の氏名などを記名 |
2020年12月の押印廃止により、産業医の押印や署名は不要になりました。記名だけで受理されます。
集団分析の欄にも今後動きがあります。厚生労働省は2026年6月30日に労働安全衛生規則を改正しました。個人を特定できない方法での集団分析の実施を定めるもので、施行は2027年4月1日です。報告の前提となるルールが変わっていくため、毎年の最新様式の確認が欠かせません。
記入項目のもとになる実務の流れは、厚労省プログラムの集団分析から労基署報告までの解説記事でも詳しく紹介しています。
提出を忘れたらどうなる?罰則と対処法
報告書を提出しなかった場合や虚偽の報告をした場合は、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金が科される可能性があります。
「うっかり忘れていた」でも扱いは同じです。ただ、実務では気づいた時点での行動がすべてと言えます。
ストレスチェックを実施しなかった年でも、50人以上の事業場には報告義務があります。受検者数を0人として報告する必要があるため、「未実施だから報告も不要」という判断は法令違反となる可能性があります。
提出漏れに気づいたら、まず所轄の労基署へ連絡し、速やかに提出してください。誠実に対応した企業が、その場でただちに処罰された例を私は聞いたことがありません。放置こそ最大のリスクです。
罰則全般の考え方はストレスチェック制度における罰則の解説記事で詳しくまとめています。
100社以上の支援で見た、報告書でつまずく3つのポイント
当センターは9年連続で経済産業省の「健康経営優良法人」に認定され、100社以上のストレスチェックを支援してきました。その現場で毎年のように見かける、つまずきポイントを3つ紹介します。
在籍労働者数の数え方で迷う
私自身、担当者さまから「パートや派遣は在籍に含めますか」という質問を毎年いただきます。数えるのは検査実施時点で常時使用している労働者です。判断に迷う雇用形態は、受検対象者の区分を整理した記事で確認してください。
実施者の欄に担当者の名前を書いてしまう
実施者とは、医師や保健師などストレスチェックを実施できる専門職のことです。社内の実施事務従事者(総務担当者など)の氏名を書く欄ではありません。記入を誤ると、労基署から差し戻される場合があります。
複数事業場の報告がひとつ漏れる
本社はきちんと提出したのに、50人を超えた直後の支店が漏れる。このパターンが実は一番多い印象です。事業場ごとの労働者数を毎年見直し、報告対象のリストを更新してください。



兼務で細かい様式まで見きれません。実施から報告まで任せられるものですか?



任せられます。当センターは最短3日で受検を開始でき、報告書に必要な集計値まで揃えてお渡しします。リピート率9割以上という数字が、担当者さまの負担軽減の証だと考えています。
50人未満の事業場に報告義務はある?2028年義務化との関係
労働者数50人未満の事業場には、現時点で労基署への報告義務はありません。
一方で、実施義務の範囲は広がります。厚生労働省によると、2025年5月に改正労働安全衛生法が公布されました。2028年(令和10年)4月1日からは、50人未満の事業場でも実施が義務になります。
義務化後も、50人未満の事業場には報告義務を課さない方針が国の資料で示されています。ただし省令などで詳細が定まっていく段階のため、施行までに厚生労働省の最新情報を確認してください。
「実施は義務、報告は不要」という非対称な制度設計。2028年対応の全体像は、こちらの記事にまとめています。


よくある質問(FAQ)
担当者さまからよく寄せられる質問に答えます。
- ストレスチェックの結果を労基署に報告するのはいつまでですか?
-
法令上の統一された締切日はなく、1年以内ごとに1回の提出が求められます。実施後に遅滞なく提出する運用が一般的で、実務では実施から3か月以内が目安とされています。
- ストレスチェック報告書に押印は必要ですか?
-
押印は不要です。2020年12月の様式改正で産業医の押印・署名欄は廃止され、記名のみで受理されます。電子申請の場合も同様に押印は求められません。
- ストレスチェックの報告は本社で一括提出できますか?
-
本社での一括提出はできません。ストレスチェック報告書は事業場ごとに作成し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署へ提出する仕組みです。支店や工場ごとの提出漏れに注意してください。
- ストレスチェックの提出を忘れたらどうなりますか?
-
労働安全衛生法第120条により、50万円以下の罰金が科される可能性があります。提出漏れに気づいたら放置せず、所轄の労働基準監督署へ連絡のうえ速やかに提出してください。
- 従業員個人のストレスチェック結果も労基署に提出するのですか?
-
個人の結果は提出しません。報告書に記載するのは受検者数や面接指導の人数といった集計値だけです。個人の結果は本人の同意がない限り会社にも提供されないため、労基署に知られることもありません。
- 50人未満の事業場でも労基署への報告は必要ですか?
-
現時点で50人未満の事業場に報告義務はありません。2028年4月からストレスチェックの実施は義務化されますが、報告義務は課さない方針が国の資料で示されています。最新の省令情報を確認してください。
まとめ:報告は「毎年の型」を作れば怖くない
ストレスチェックの労基署報告は、ポイントさえ押さえれば難しい手続きではありません。最後に要点を振り返ります。
- 常時50人以上の事業場は、様式第6号の2を1年以内ごとに1回提出
- 提出先は事業場ごとの所轄労基署。2025年1月から電子申請が原則
- 未実施の年も報告は必要。怠ると50万円以下の罰金の可能性
- 提出漏れに気づいたら、労基署へ連絡して速やかに提出
頼れるのは、毎年同じ手順で回せる仕組みです。社内で提出目安を決めるか、実施から集計まで外部に任せるか。どちらでも、報告が「毎年の憂鬱」から「ただの年中行事」に変わります。
当センターに実施を委託いただいた場合、報告書に必要な集計値まで整えてお渡しします。書類仕事に追われる時間を、職場改善を考える時間に振り向けませんか。迷ったら相談してください。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












