行事の準備やシフト調整に追われながら、ストレスチェックまで整えるのは正直大変ですよね。保育園は職員数が50人未満の園が多く、「うちは義務なの?」という段階で迷いがちです。この記事では、義務化のスケジュールと実施の流れ、現場のつまずきの解決策を解説します。
この記事でわかること
- 保育園のストレスチェックが義務になる条件と2028年からの変更点
- パソコンを使わない職員が多い園でも受検を回す方法(紙・Web併用)
- 外部委託で園の担当者の負担がどこまで減るか
結論から先に:保育園も労働安全衛生法に基づくストレスチェックの対象です。職員50人以上の園はすでに実施義務があり、50人未満の園も2028年(令和10年)4月1日から義務になります。パソコンに触れる時間が少ない職場でも、紙受検とWeb受検の併用で無理なく実施できます。
保育園にストレスチェックは義務?いつから始まる?
職員が常時50人以上の保育園には、ストレスチェックの実施義務があります(労働安全衛生法第66条の10)。50人未満の園も2028年(令和10年)4月1日から義務の対象です。
ストレスチェックとは、職員の心理的な負担の程度を年1回調べる検査です。2015年から労働安全衛生法で事業者に実施が義務付けられてきました。保育園も一般企業と同じルールで扱われます。
人数は「園ごと」に数えるのが基本
義務かどうかの判断は、法人全体ではなく事業場(園)単位の人数で行うのが基本です。対象には正職員だけでなく、常時働くパート職員や調理員・事務職員も含まれます。
相談者うちは職員28名の認可園です。系列3園を合わせると90名を超えますが、義務になるのでしょうか?



人数は園ごとに数えるのが基本です。28名なら現時点では努力義務ですが、2028年4月からは義務になります。系列園でまとめて実施しておくと、切り替えがスムーズですよ。
2028年4月から50人未満の園にも義務化
根拠は2025年5月に公布された改正労働安全衛生法です。厚生労働省は、令和10年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックを義務化すると公表しています。多くの保育園がこの拡大の対象です。
厚生労働省「令和5年度ストレスチェック実施状況」によると、対象事業場の実施率は83.6%です。一方で50人未満の事業場では実施率が約30%にとどまります。義務化まで待たず、前年度からの試行実施が現実的な準備になります。
最新の制度情報は厚生労働省のストレスチェック制度ページで確認できます。条文の原文を読みたい方はe-Gov法令検索の労働安全衛生法を参照してください。
保育士のストレス要因は何が多い?
保育の職場では、職員同士の人間関係、保護者対応、休憩を取りにくい業務環境の3つがストレス要因になりやすいと指摘されています。


クラス運営はチームワークが前提です。担任同士の相性や園の方針とのずれが、そのまま日々の負担につながります。保護者からの要望対応も、気を張り続ける仕事のひとつでしょう。
私が保育園の担当者の方と話していて印象的なのは、「休憩室で一人になれる時間がほとんどない」という声の多さです。子どもから目を離せない職場の特性上、緊張が途切れにくいのだと感じています。社会保険労務士のYouTube解説でも、保育士のメンタルヘルス不調は繰り返し取り上げられるテーマになっています。
ストレスチェックは、こうした負担を数値で見える化する仕組みです。部署や職種ごとの傾向を集計する集団分析を使えば、園単位・クラス単位の課題も把握できます。集団分析の読み方は集団分析の解説記事で詳しく紹介しています。
保育園でストレスチェックを実施する流れ【5ステップ】
保育園のストレスチェックは、実施体制づくりから集団分析まで5つのステップで進めます。
全体像を先につかんでおくと、行事の少ない時期に受検期間を当てるなど、園の年間計画に組み込みやすくなります。
実施者となる医師・保健師などを確保し、実施規程を整えます。嘱託の産業医がいない園は、外部機関の実施者を活用できます。
対象者名簿を作り、目的と結果の取り扱いを全職員に案内します。「評価には使われない」と伝えることが安心につながります。
園の環境に合わせて受検方法を選びます。受検期間は2週間〜1か月ほど確保し、シフトの合間に受けられるようにします。
結果は実施者から本人へ直接通知します。点数が高い職員は「高ストレス者」として選ばれます。本人から申出があれば、医師による面接指導につなげることが求められます。
園ごと・職種ごとの傾向を分析し、翌年度の改善につなげます。50人以上の園は労働基準監督署への実施報告が求められます。
高ストレスと判定された職員への声かけや面接指導の進め方は、高ストレス者対応の解説記事にまとめています。なお2026年6月には集団分析の実施方法に関する省令改正も行われており、制度は今も動いています。最新情報の確認を習慣にしてください。
保育園ならではのつまずきポイントと対処法
保育園のストレスチェックでつまずきやすいのは、受検環境・回収の進み具合・実施者の確保の3点です。


つまずき①:パソコンを使わない職員が多い
実際に、事務室のパソコンが1台だけという園は珍しくありません。保育士がシフト中に画面へ向かう時間はごくわずかです。



保育士は勤務中にパソコンへ触る時間がほとんどありません。Web受検は難しいのでしょうか…?



紙の調査票を昼礼で配り、封筒で回収する園が多いですよ。Webはスマホからも受けられるので、紙とWebの併用が保育園には一番なじみます。
紙受検なら、休憩時間に数分で記入して封筒に入れるだけで完了します。スマホでのWeb受検との組み合わせなら、職員それぞれが受けやすい方法を選べます。Web受検の具体的な仕組みはWeb受検の解説記事を参考にしてください。
つまずき②:受検が進まない・回収できない
シフト勤務の職場では、受検案内が全員に届くまで時間がかかります。受検期間を短く設定しすぎると、未受検のまま締め切りを迎えがちです。
期間は余裕をもって設定し、昼礼や職員会議で途中経過を共有しましょう。受検率を高める具体的な声かけは受検率向上の解説記事で紹介しています。
つまずき③:実施者のなり手がいない
50人未満の園には産業医の選任義務がなく、実施者となる医師・保健師が身近にいないケースがほとんどです。結果を園長が直接扱えない決まりも、小規模な園では運用の壁になります。
外部機関に委託すれば、実施者の確保と個人情報を園に持ち込まない管理体制を同時に整えられます。守秘の仕組みが明確になるほど、職員は正直に回答しやすくなります。
外部委託すると何が楽になる?
外部委託すると、実施者の確保から調査票の配布・回収、結果通知、集団分析までを一括で任せられます。
園の担当者に残る仕事は、名簿の準備と園内の声かけくらい。自園で行う場合との違いを整理しました。
| 作業 | 自園で実施 | 外部委託 |
|---|---|---|
| 実施者の確保 | 医師・保健師を自分で探す | 委託先の実施者が担当 |
| 調査票の配布・回収 | 担当者が管理 | 紙・Webとも委託先が管理 |
| 結果の集計・通知 | 担当者+実施者で対応 | 委託先が本人へ直接通知 |
| 個人情報の管理 | 園内で保管体制が必要 | 委託先が外部で管理 |
| 系列園のとりまとめ | 園ごとに別々の作業 | 複数園を一括で実施 |
当センターは500〜20,000名規模まで100社以上の導入実績があり、紙受検・Web受検・併用のすべてに対応しています。系列園をまとめた一括実施や、最短3日での受検スタートにも対応可能です。
翌年も利用されるお客様は9割以上。この「現場に合わせる柔軟さ」を評価いただいた結果だと考えています。
運営会社は9年連続で経済産業省の「健康経営優良法人」に認定されており、プライバシーマークを取得した自社サーバーで個人情報を管理しています。委託先を比べる際の視点は委託先の選び方の解説記事にまとめました。迷ったら、今の受検方法の悩みごと相談してください。
保育園のストレスチェックに関するよくある質問
保育園の担当者の方からよくいただく質問をまとめました。
- 簡単なストレスチェックシートはありますか?
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厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」が標準的な様式です。同省のポータルサイトこころの耳では、5分でできるセルフチェックも公開されています。ただし法律上のストレスチェックには、医師などの実施者による実施が求められます。
- パートの保育士や調理員もストレスチェックの対象になりますか?
-
契約期間が1年以上で、週の労働時間が正職員の4分の3以上あるパート職員は対象に含めるのが基本です。調理員や事務職員など、保育士以外の職種も同じ基準で判断します。
- ストレスチェックの結果を園長が見ることはできますか?
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本人の同意がない限り、園長や法人本部が個人の結果を見ることはできません。結果は実施者から本人へ直接通知される決まりです。園側が受け取れるのは、個人が特定されない集団分析の結果に限られます。
- 系列の複数園を合わせると50人を超える場合、今から義務ですか?
-
義務かどうかは法人全体ではなく、事業場(園)単位の人数で判断するのが基本です。各園が50人未満なら現時点では努力義務ですが、2028年(令和10年)4月1日からはすべての園で実施が義務になります。
- 保育士のメンタルケアはどうすればいいですか?
-
職員自身のセルフケアと、園によるラインケア(勤務環境の調整や相談対応)の両輪で進めます。ストレスチェックの集団分析を使うと、園ごと・職種ごとの負担の偏りが分かり、休憩の取り方やクラス配置の見直しに役立ちます。
- メンタルヘルス研修は義務ですか?
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職員向けのメンタルヘルス研修そのものに法律上の実施義務はありません。一方、ストレスチェックは職員50人以上の園で義務です。50人未満の園も2028年(令和10年)4月1日から義務化されます。研修は園内のセルフケアを広げる取り組みとして位置づけられています。
まとめ:2028年を待たず、園に合う受検方法から決めましょう
保育園のストレスチェックは、50人以上の園ではすでに義務、50人未満の園も2028年(令和10年)4月1日から義務になります。判断の単位は法人ではなく園ごと。まずは自園の対象人数の棚卸しが最初の一歩です。
- 2028年4月から50人未満の園も義務化(労働安全衛生法第66条の10)
- パソコンが少ない園は紙・Web併用が現実的
- 実施者の確保が難しければ外部委託で一括対応
面倒に見える制度対応も、受検方法さえ園に合っていれば淡々と回せます。浮いた時間を子どもたちと職員のために使えるようになれば、それが一番の成果です。準備の進め方に迷ったら、園の状況を聞かせてください。一緒に段取りを整えます。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












