夜勤・交代勤務のストレスチェック|実施の注意点を解説

夜勤や交代勤務がある職場でストレスチェックを紙とWebの併用により全員に実施する流れを示すイメージ

シフト表とにらめっこしながらの受検案内、正直骨が折れますよね。夜勤明けの人に連絡が届かず、受検率が伸び悩む職場は少なくありません。この記事では、夜勤・交代勤務がある職場での実施の考え方と段取りを解説します。

この記事でわかること

  • 夜勤・交代勤務の従業員もストレスチェックの対象になること
  • 深夜業の健康診断(6か月に1回)とストレスチェックの違い
  • シフト勤務でも受検率を落とさない実施の段取りと集団分析の活かし方

結論から先に:夜勤・交代勤務の従業員にも、年1回のストレスチェックが求められます。根拠は労働安全衛生法第66条の10で、常時50人以上の事業場が対象です。さらに深夜業が月4回以上ある人には、6か月に1回の健康診断も別途必要です。

目次

夜勤・交代勤務の従業員にストレスチェックは必要?

夜勤・交代勤務の従業員も、労働安全衛生法第66条の10に基づく年1回のストレスチェックの対象です。勤務時間帯が昼か夜かで、対象かどうかは変わりません。

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、労働安全衛生法第66条の10に基づき、働く人の心理的な負担を質問票で年1回調べる検査です。2015年から、常時50人以上の労働者がいる事業場に実施が義務付けられています。

判断の単位は「事業場ごとの人数」です。工場や病院、物流センターなど、夜勤者が多い拠点も同じ数え方をします。交代勤務のパート・契約社員も、常時使用されていれば人数に含まれます。

2028年4月からは50人未満の事業場も義務化

2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年(令和10年)4月1日から50人未満の事業場もストレスチェックが義務になります。夜勤のある小規模な営業所や施設も、準備を始める時期に来ています。

制度の最新情報は厚生労働省のストレスチェック制度ページで確認できます。条文にあたりたい方はe-Gov法令検索の労働安全衛生法を参照してください。

夜勤・交代勤務はなぜ高ストレスになりやすい?

夜勤・交代勤務は、体内時計と生活リズムのずれが疲労の回復を妨げるため、心身の不調につながりやすい働き方です。

夜勤や交代勤務で体内時計のずれや睡眠不足が心身の負担につながる仕組みを整理した図

概日リズムとは、およそ24時間周期で体温やホルモン分泌を調節する体内時計の働きです。夜勤や交代勤務では、このリズムと勤務時間が合わず、眠りが浅くなりがちです。疲れが抜けないまま、次のシフトが来る感覚ですね。

生活面の影響も見逃せません。家族や友人と予定が合わず、悩みを話す機会そのものが減っていきます。検索窓に「夜勤 続けた結果」と打ち込む人が多いのは、その不安の表れでしょう。

数字にも変化が出ています。厚生労働省「令和7年度過労死等の労災補償状況」によると、仕事の強いストレスによる精神障害の労災請求件数は4,958件でした。前年度より1,178件の増加です。

夜勤の有無を問わず、メンタルヘルス対策は経営課題になりつつあります。

相談者

夜勤明けの従業員に元気がない気がします。でも日中しか出社しない私には、様子がよく見えなくて…。

ストレスチェックサポートセンター

その「見えない」を補うのが年1回のストレスチェックです。個人結果は本人の同意なく会社に渡らないので、夜勤の方も安心して本音で答えられますよ。

私が製造業の総務担当の方から伺って印象的だったのは、「夜勤帯の不調は管理部門から一番遠い」という言葉でした。日中の目が届かない時間帯こそ、定点観測の仕組みが効きます。高ストレスと判定された後の流れは高ストレス者対応の解説記事にまとめています。

深夜業の健康診断(6か月に1回)とはどう違う?

深夜業が週1回以上または月4回以上ある人には、6か月に1回の健康診断が求められます(労働安全衛生規則第45条)。年1回のストレスチェックとは別の制度です。

深夜業とは、午後10時から翌朝5時までの時間帯に働くことです。両者は混同されがちなので、違いを表で整理します。

ストレスチェック深夜業の健康診断
目的心理的負担の把握身体面の健康管理
頻度年1回6か月に1回
対象常時使用する労働者深夜業が週1回以上か月4回以上の人
根拠労働安全衛生法第66条の10労働安全衛生規則第45条

「週1回以上、または月4回以上の深夜勤務がある人は6か月に1回の健診が必要」とあることから、月1回程度の深夜勤務なら、この健診の対象にはなりません。

深夜業の健診を6か月ごとに実施していても、ストレスチェックの代わりにはなりません。両方の実施計画を年間スケジュールに並べて管理してください。

交代勤務の職場でストレスチェックを回す手順【5ステップ】

交代勤務の職場では、どのシフトの人も期間中に必ず勤務日が入るよう、受検期間を3〜4週間ほど確保すると受検率が安定します。

段取りは5つ。日勤中心の職場との違いは、期間設定と案内のタイミングに集約されます。

STEP
実施体制と年間計画を決める

実施者となる医師・保健師を確保し、衛生委員会で実施時期を決めます。深夜業の健康診断と時期が重ならないよう、年間で並べて調整してください。

STEP
受検期間を3〜4週間確保する

シフト表と照らし、全員の勤務日が期間内に収まるかを確認します。繁忙期や夜勤の連続が続く月は避けるのが無難です。

STEP
紙とWebを併用する

現場にPCがない製造ラインや病棟では、紙の質問票が確実です。事務所勤務やスマホ受検が可能な人にはWebを使い、回収漏れを防ぎます。Web受検の仕組みはWeb受検の解説記事で紹介しています。

STEP
夜勤明け直後を避けて案内する

夜勤明けは疲労で回答が雑になりがちです。休憩時間や夜勤前の落ち着いた時間に受けられるよう、シフトごとに案内のタイミングを変えます。

STEP
未受検者をシフト別にフォローする

未受検者リストをシフト別に分け、各シフトのリーダー経由で声をかけます。受検率を上げる工夫は受検率向上の解説記事も参考にしてください。

質問票は夜勤者用の特別版があるわけではなく、全員が同じ57項目を使います。差が出るのは運用の丁寧さ。ここがシフト勤務の職場の分かれ目です。

集団分析は「勤務形態別」に見ると改善につながる

集団分析とは、ストレスチェックの結果を部署などの集団ごとに集計し、職場の傾向を把握する方法です。夜勤・交代勤務の職場では、日勤・夜勤・交代シフト別に比べる見方が改善の出発点になります。

ストレスチェックの集団分析を日勤と夜勤など勤務形態別に比較して職場改善につなげる流れを示す図

夜勤帯だけ負担感が高ければ、原因はシフトの組み方にある可能性が高いといえます。連続夜勤の回数、シフト間の休息時間、仮眠環境。手を打つ場所が具体的に見えてきます。分析の基本は集団分析の解説記事で詳しく説明しています。

夜勤チームは少人数のことが多く、実は改善効果を実感しやすい単位なのです。

働く人自身のセルフケア情報は、厚生労働省のポータルサイトこころの耳にまとまっています。社内報やシフト控室への掲示で紹介するのも一つの手です。

シフト管理と両立できないと感じたら外部委託も選択肢

ストレスチェックの外部委託とは、質問票の配布・回収から結果通知、集団分析までを専門機関に任せる方法です。シフト別の進捗管理まで担当者が抱え込む必要はありません。

当センターは、紙受検・Web受検・併用のすべてに対応しています。9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」の認定も受けています。500〜20,000名規模まで100社以上の実施を支援し、リピート率は9割以上

外国人の夜勤スタッフが多い職場向けに、英語・ベトナム語の質問票も用意しています。最短3日で受検を始められる体制です。

私自身、三交代の現場を持つお客様とやり取りするたび、担当者の負担の重さを感じます。委託先を比べる観点は委託先の選び方の解説記事にまとめました。迷ったら相談してください。

夜勤・交代勤務のストレスチェックに関するよくある質問

実際によく検索されている疑問をまとめました。社内からの質問対応にも使えます。

夜勤は月に何回までなら大丈夫ですか?

法律上、夜勤回数そのものの上限はありません。ただし深夜業が月4回以上ある人には、6か月に1回の健康診断が必要です(労働安全衛生規則第45条)。回数よりも、休息が取れているかの確認が先決です。

夜勤でメンタルがおかしくなるのはなぜですか?

体内時計と勤務時間のずれで睡眠の質が下がり、疲労が回復しにくくなるためです。家族と生活時間が合わず、悩みを話す機会が減ることも影響します。不調のサインが続くときは、産業医や医療機関に早めに相談してください。

夜勤・交代勤務の人には専用の質問票を使いますか?

いいえ、夜勤者専用の質問票はなく、全員が同じ職業性ストレス簡易調査票(57項目)を使います。勤務形態による負担の差は、集団分析を日勤・夜勤別に行うことで把握できます。

夜勤の従業員がストレスチェックを受けてくれないときは?

受検は労働者の義務ではないため、強制はできません。事業者には受検の機会を整えることが求められます。夜勤明けを避けた案内や紙の質問票の併用など、受けやすい環境づくりで受検率は変わります。

従業員50人未満の事業場でも夜勤者がいれば必要ですか?

現時点で50人未満の事業場は努力義務ですが、2028年(令和10年)4月1日から実施が義務になります。夜勤者の有無にかかわらず対象となるため、小規模な事業場も早めの準備が求められます。

高ストレスと判定された夜勤の従業員には何をしますか?

本人から申出があれば、医師による面接指導をおおむね1か月以内に実施することが求められます。面接結果に応じて、連続夜勤の制限や日勤への転換など就業上の措置を検討します。

まとめ:夜勤の職場こそ「見えない不調」を仕組みで拾う

夜勤・交代勤務の職場でのストレスチェックのポイントを振り返ります。

  • 夜勤・交代勤務の従業員も年1回のストレスチェックの対象
  • 深夜業が月4回以上なら6か月に1回の健康診断も別途必要
  • 受検期間は3〜4週間確保し、紙とWebの併用で受検率を守る
  • 集団分析は勤務形態別に見るとシフト改善の材料になる

日中の目が届かない時間帯を支えているのが、夜勤・交代勤務の従業員です。その頑張りを数字で受け止める仕組みがあれば、従業員の不調を小さいうちに拾えます。

シフト管理に追われる毎日から、少しだけ手を空けるために。実施の設計から集団分析まで、当センターが伴走します。迷ったら相談してください。

編集・監修体制ボックス
この記事の編集・監修体制
信頼性の高い情報発信
編集・監修:ストレスチェックサポートセンター編集部

本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。

ストレスチェック支援実績
9年連続
健康経営優良法人に認定
3〜20,000名規模
受検人数を問わず、幅広く支援しております。
100社以上
一般企業から自治体まで、多数の支援実績がございます。
運営会社情報

シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。

健康経営優良法人2026 中小規模法人部門 ネクストブライト1000
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