メンタルヘルスの4つのケアとは?基本と進め方を解説

Illustration of a Stress Check Support Center explaining four care concepts with circular icons around a central heart symbol.

毎年のメンタルヘルス対策、何から手をつければよいか迷いますよね。厚生労働省が示す「4つのケア」を押さえると、職場でやるべきことの全体像がつかめます。この記事では、4つのケアの基本と進め方を、実施代行の現場目線でやさしく整理します。

この記事でわかること

  • 4つのケアの意味と、それぞれが担う役割
  • 4つのケアが企業に求められる法的な背景
  • 職場で4つのケアを進める具体的な手順

結論から先に:メンタルヘルスの4つのケアとは、厚生労働省の指針が定める「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4つです。この4者が役割を分担し、働く人の心の健康を守ります。

目次

メンタルヘルスの4つのケアとは?

4つのケアとは、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が定める、職場のメンタルヘルス対策を担う4つの実施主体のことです。

この指針は2006年に公表され、2015年に改正されました。心の健康づくりは、働く人一人だけでは完結しません。従業員本人・管理職・社内の専門スタッフ・社外の専門機関が連携する形を、国が枠組みとして示しています。

ざっくり言うと、「自分で気づく」「上司が気づく」「社内の専門家が支える」「社外の力を借りる」の4段構えです。どれか1つでは支えきれない部分を、互いに補い合う設計。この役割分担が、対策の抜け漏れを防ぎます。

メンタルヘルスの4つのケア(セルフケア・ラインによるケア・事業場内・事業場外)の役割分担を示すイメージ図

4つのケアはなぜ必要?2028年の義務化と企業の役割

厚生労働省によると、令和10年(2028年)4月1日から、労働者50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます。

この方針は、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法で定められました。これまで50人未満の事業場は努力義務でしたが、今後はすべての規模の会社が対象になります。心の健康づくりの土台として、4つのケアの理解が欠かせません。

企業には、従業員が安全に働けるよう配慮する「安全配慮義務」が求められます。メンタル不調への対策を怠ると、労災認定や損害賠償につながる可能性があります。4つのケアは、この義務を果たすための具体的な道しるべになります。

私たちが100社以上のストレスチェック実施を代行してきた中でも、対策の全体像を持つ会社ほど、高ストレス者への対応が早いと感じています。詳しくはストレスチェック未実施の罰則とリスクもあわせてご覧ください。

相談者

4つのケアって、結局うちの会社は何から始めればいいんでしょうか…?

ストレスチェックサポートセンター

まずは全体像の把握で大丈夫です。次の章で4つの中身を1つずつ見ていきましょう。自社だけで抱え込まず、社外の力を借りる前提で考えると気が楽になりますよ。

4つのケアの内容と具体例をわかりやすく解説

4つのケアは、担い手と役割がそれぞれ異なります。まず全体像を表で確認し、その後に1つずつ具体例を見ていきます。

ケアの種類担い手主な役割
セルフケア従業員本人ストレスへの気づきと自身での対処
ラインによるケア管理職部下の変化への気づきと相談対応
事業場内産業保健スタッフ等によるケア産業医・保健師・衛生管理者など専門的な支援と社内体制づくり
事業場外資源によるケア社外の専門機関専門知識の提供と社外相談窓口

①セルフケア(従業員自身によるケア)

セルフケアとは、従業員が自分のストレスに気づき、自ら対処する取り組みです。会社は、その土台となる知識と機会を提供します。

具体例としては、ストレスへの理解を深める研修や、ストレスチェックによる気づきの機会づくりが挙げられます。相談先を社内で周知しておくことも、セルフケアを支える大切な準備です。

②ラインによるケア(管理職によるケア)

ラインによるケアとは、管理職が部下の変化に気づき、話を聴き、必要に応じて専門家へつなぐケアです。日頃から接する上司だからこそ、いち早く不調のサインに気づけます。

「いつもと様子が違う」に気づいたら、まず声をかけてください。管理職の具体的な役割や進め方は、ラインケアとは?管理職の役割と進め方で詳しく解説しています。

③事業場内産業保健スタッフ等によるケア

事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、産業医や保健師、衛生管理者などが、社内で専門的に支えるケアです。セルフケアとラインケアが機能するよう、体制づくりの中心を担います。

高ストレス者への面接指導の調整も、この役割に含まれます。対応の流れは高ストレス者への対応方法をご覧ください。

④事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアとは、社外の専門機関の力を借りて心の健康を守るケアです。社内に専門家がいない中小企業ほど、頼りになる存在。外部の窓口が、対策の穴を埋めます。

外部委託の実施機関やEAP(従業員支援プログラム)、地域の産業保健総合支援センターなどが該当します。社外の相談窓口があると、従業員も安心して話しやすくなります。

セルフケアからラインケア、社内外の専門家へとつながる職場のメンタルヘルスケアの連携を示すイメージ

4つのケアを職場で進める手順

4つのケアは、「心の健康づくり計画」を軸に進めると定着します。厚生労働省の指針も、計画づくりを出発点として示しています。次の4ステップで整理してください。

STEP
心の健康づくり計画を立てる

衛生委員会で方針を話し合い、会社としての計画を文書にまとめます。4つのケアの役割分担を、ここで明確にします。

STEP
教育と情報提供を行う

従業員へセルフケア研修を、管理職へラインケア研修を実施します。相談窓口の場所も、あわせて全員へ周知します。

STEP
ストレスチェックで現状を把握する

ストレスチェックを実施し、個人の気づきと集団分析につなげます。集団分析の活用方法で職場の課題が見えてきます。

STEP
職場環境の改善につなげる

分析結果をもとに、業務量や働き方を見直します。取り組みを毎年ふり返り、翌年の計画へ反映してください。

4つのケアを無理なく回すには?外部委託という選択肢

4つのケアのうち「事業場外資源によるケア」を活用すると、専門家がいない会社でも対策を無理なく回せます。中小企業ほど、外部委託の効果が大きくなります。

ストレスチェックの実施から高ストレス者対応、集団分析まで外部に任せると、担当者の負担が大きく減ります。専門的な部分を社外に預け、自社は職場改善に集中できる形が理想です。

ストレスチェックサポートセンターは、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、導入実績は100社以上にのぼります。リピート率は9割を超え、最短3日で受検を開始できます。英語・ベトナム語にも対応しています。

個人情報はプライバシーマークを継続取得した自社サーバーで管理しています。私たちが担当者の方とお話しすると、「毎年の面倒がなくなった」という声を多くいただきます。まずは全体像づくりから、気軽にご相談ください。

メンタルヘルスの4つのケアとは何ですか?

4つのケアとは、厚生労働省の指針が定める「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」です。従業員本人・管理職・社内の専門家・社外の機関が連携し、働く人の心の健康を守ります。

メンタルヘルスケアにはどんな種類がありますか?

職場のメンタルヘルスケアは、担い手ごとに4種類に整理されます。自分で行うセルフケア、上司が行うラインによるケア、産業医など社内専門家によるケア、社外機関によるケアの4つです。この分類は厚生労働省の指針にもとづいています。

セルフケアとラインケアの違いは何ですか?

セルフケアは従業員が自分のストレスに気づき対処する取り組みです。ラインによるケアは、管理職が部下の変化に気づき相談に応じる取り組みを指します。担い手が「本人」か「上司」かが、両者の大きな違いです。

心の健康づくり計画とは何ですか?

心の健康づくり計画とは、会社がメンタルヘルス対策を計画的に進めるための方針文書です。4つのケアの役割分担や実施体制、目標を盛り込みます。厚生労働省の指針では、衛生委員会での調査審議を経て策定することが示されています。

小規模事業場でも4つのケアは必要ですか?

50人未満の小規模事業場でも4つのケアは必要です。令和10年(2028年)4月からはストレスチェックが義務化されます。社内に専門家がいない場合は、地域産業保健センターや外部委託など、事業場外資源の活用が現実的な選択肢になります。

4つのケアと3段階の予防はどう関係しますか?

4つのケアは「誰が担うか」の分類、3段階の予防は「いつ対応するか」の分類です。3段階とは、不調を防ぐ一次予防、早期に発見する二次予防、復職を支える三次予防を指します。両者を組み合わせると、対策の抜け漏れを防げます。

まとめ:4つのケアで職場の心の健康を守る

メンタルヘルスの4つのケアは、セルフケア・ラインによるケア・事業場内・事業場外の連携で成り立ちます。大切なのは、どれか1つに頼らない役割分担。4者が支え合う体制づくりが第一歩です。

2028年にはストレスチェックが全事業場で義務化されます。まずは心の健康づくり計画づくりから始め、社外の力もうまく借りてください。自社だけで抱え込まず、専門家と伴走する形が、担当者の負担を軽くします。

参考: 厚生労働省 ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策厚生労働省 こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータル)

この記事の編集・監修体制
信頼性の高い情報発信
編集・監修:ストレスチェックサポートセンター編集部

本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。

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