休職中の社員にもストレスチェックを実施すべきか、迷ってしまいますよね。名簿の作成でつまずく総務・人事のご担当者は少なくありません。この記事では、厚生労働省のルールにそって、休職中の社員の扱いをやさしく整理します。
この記事でわかること
- そもそもの対象者の要件(パートや契約社員はどうなるか)
- 休職中・育休中・派遣社員など、判断に迷うケースの考え方
- 復職した社員へストレスチェックを実施する手順
結論から先に:ストレスチェックの実施義務は事業者にあります。ただし実施の時点で休職している社員は、対象に含めなくても差し支えないとされています。復職後にあらためて受検の機会を設けてください。
ストレスチェックの対象者とは?基本の要件
ストレスチェックとは、労働安全衛生法第66条の10にもとづき、常時50人以上の事業場に義務づけられた心理的な負担の検査です。2015年から始まった制度で、社員のメンタル不調を早く気づくことを目的としています。
対象となるのは「常時使用する労働者」です。ざっくり言うと、契約期間と労働時間の2つで判断します。次の両方を満たす社員が対象です。
- 契約期間の定めがない、または契約期間が1年以上である
- 週の所定労働時間が、通常の労働者の4分の3以上である
この2つを満たせば、パート・アルバイト・契約社員も対象になります。正社員だけと思い込むのは禁物。実際に私たちが支援する現場でも、パート社員を含め忘れる例をよく見かけます。
休職中の社員はストレスチェックの対象になる?
実施の時点で休職している社員は、ストレスチェックを実施しなくても差し支えないと、厚生労働省の実施マニュアルで示されています。療養に専念している社員に、受検や面接指導を求めるのが難しいためです。

ただし、休職者を最初から名簿ごと除外するのは避けてください。判断のポイントは、実施日に休職しているかという一点。復職の見込みがある社員は、復職後に受検の機会を設ける運用が望まれます。
相談者休職中の社員に受検の案内を送ってよいのか、毎回迷ってしまいます。



療養中の方へ無理に案内を送る必要はありません。復職の面談で状況を確認し、落ち着いてからご案内すれば大丈夫です。判断の記録だけ残しておくと安心ですよ。
制度の趣旨を押さえておくと、迷ったときの判断がぶれません。
復職したらいつストレスチェックを実施すればいい?
復職した社員には、職場に慣れて体調が安定したタイミングで受検の機会を設けてください。次回の定期実施に合わせる方法が、運用としても無理がありません。手順は次の流れで進めます。
主治医の意見や復職面談をふまえ、通常勤務に戻っているかを確認します。
受検は本人の意思が尊重されます。案内を送り、受検しやすい環境を整えます。
結果は実施者から本人へ直接通知します。会社が本人の同意なく結果を見ることはできません。
高ストレスと判定され本人の申出があれば、おおむね1か月以内に医師の面接指導を実施することが求められます。詳しくは面接指導の流れや高ストレス者への対応をご覧ください。
実務では、復職の直後より1〜2か月ほど落ち着いてからのほうが、本人も回答しやすいと感じています。焦らず、体調を最優先に進めてください。
判断に迷うケース(育休・産休・派遣・パート)
育児休業や産前産後休業などで実施時に休業している社員も、休職中と同じ考え方で、実施しなくても差し支えありません。迷いやすいケースを一覧で整理します。
| ケース | 基本の考え方 |
|---|---|
| 育休・産休中 | 休職と同様に、実施しなくて差し支えない。復職後に実施を検討する。 |
| 派遣社員 | ストレスチェックの実施義務は派遣元にある。派遣先は集団分析などで協力する。 |
| パート・アルバイト | 契約1年以上かつ所定労働時間が4分の3以上なら対象になる。 |
| 復職した直後 | 対象に含める。体調が安定した時期に受検の機会を設ける。 |
判断に迷ったときは、自己判断で対象から外さず、産業医や委託先の実施者に相談してください。除外の理由と日付を記録に残すと、後の説明がしやすくなります。
休職者対応の負担を減らすには
休職者を含む対象者の管理や案内は手間がかかるため、外部委託で担当者の負担を大きく減らせます。名簿の突合や個別判断を専門家に任せられる点が、大きな安心につながります。


ストレスチェックサポートセンターは、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定されています。数名〜6,000名規模まで100社以上の導入実績があり、リピート率は9割以上です。Web受検・紙受検・併用に対応し、最短3日で受検をスタートできます。



休職者や派遣社員がいると、対象者の線引きが毎年うまくいきません。



対象者の判断もふくめてお任せいただけます。名簿をお預かりして線引きの案をお出しするので、担当者さまは確認するだけで済みますよ。委託先の選び方はこちらの記事も参考になります。
よくある質問
- 休職中の社員にストレスチェックを実施しないと法令違反になりますか?
-
実施の時点で休職している社員は、ストレスチェックを実施しなくても差し支えないとされています。療養に専念している社員への受検は求められないためです。復職後に受検の機会を設ければ問題ありません。
- 育休・産休中の社員はストレスチェックの対象ですか?
-
育児休業や産前産後休業で実施時に休業している社員は、休職中と同じ考え方になります。実施しなくても差し支えありません。復職後、体調が安定した時期に実施を検討してください。
- ストレスチェックは社員が拒否できますか?
-
受検するかどうかは労働者本人の意思が尊重され、受検しない選択もできます。事業者に実施義務はありますが、受検を強制することはできません。未受検が続く場合は案内の工夫で受検しやすくします。
- 派遣社員のストレスチェックはどちらの会社が実施しますか?
-
派遣社員のストレスチェックの実施義務は、雇用主である派遣元にあります。派遣先は、職場環境の把握のための集団分析などで協力する立場です。役割の分担を事前に確認しておくと安心です。
- 休職中の社員が「受けたい」と希望した場合は実施できますか?
-
本人が希望する場合は、実施しても問題ありません。体調に配慮しながら受検の環境を整えてください。結果は実施者から本人へ直接通知され、会社が同意なく内容を知ることはありません。
- ストレスチェックの結果は上司に見られますか?
-
結果は実施者から本人へ直接通知され、本人の同意がなければ会社や上司は結果を確認できません。個人情報として厳重に管理されます。集団分析では個人が特定されない形で集計されます。
まとめ
休職中の社員の扱いは、実施日の状況で判断するのが基本です。判断のカギは、実施日に働いているかどうか。最後に要点を振り返ります。
- 実施時に休職中の社員は、実施しなくても差し支えない
- 育休・産休も同様。復職後に受検の機会を設ける
- パート・契約社員も、契約1年以上かつ4分の3以上なら対象
- 派遣社員の実施義務は派遣元にある
対象者の線引きに迷ったら、無理に自社だけで抱え込まないでください。専門家に任せれば、担当者さまの負担は驚くほど軽くなります。まずは気軽にご相談ください。
参考:厚生労働省 ストレスチェック制度/e-Gov 労働安全衛生法/厚生労働省 こころの耳
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
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