高ストレス判定の注意点|実施者が押さえる実務ガイド

ストレスチェックの実施者が高ストレス判定を行う際の選定基準や本人への配慮など注意点を示すイメージ

ストレスチェックの結果が返ってきて、高ストレス者の扱いに迷っていませんか。

「誰を高ストレス者にするのか」「判定のあと何をどこまでやるのか」。この線引きは、意外と整理されていません。

この記事では、実施者や実務担当者が高ストレス判定でつまずかないための注意点を、公的資料をもとにやさしく整理します。選定基準の考え方から通知、面接指導の手配までを一気に確認できます。

この記事でわかること

  • 高ストレス者の選定基準の考え方と、厚生労働省が示す目安
  • 実施者が判定で誤りやすい5つの注意点
  • 判定後の通知・面接指導・事後措置までの流れ
  • 守秘義務と、実務の負担を軽くする外部委託の考え方

結論から先に:高ストレス判定でいちばん大切なのは、選定基準を実施者が決め、結果を本人以外に漏らさないことです。判定後は、本人への通知と、医師による面接指導の勧奨までをおおむね1か月以内に進めることが求められます。

目次

高ストレス者とは?実施者が押さえる判定の全体像

高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、心身のストレス反応が高い、または反応と要因が重なって強い状態にあると判定された人のことです。

まず、判定の全体像を押さえましょう。判定は実施者が担い、会社側の担当者は事務で支える。この役割分担が出発点になります。

実施者とは、ストレスチェックを実施する医師・保健師などの専門職です。高ストレス者の判定は、この実施者の役割になります。会社の総務や人事は、実施者を事務で支える立場です。

ストレスチェックの実施者が個人結果シートを確認しながら高ストレス者を判定する流れを示すイメージ

高ストレス者の選定基準は?割合の目安も解説

厚生労働省の実施マニュアルが示す標準的な方法では、高ストレス者はおおむね受検者の10%程度になるよう基準を設定します。

選定の考え方は、大きく2通りです。どちらを採るかは、衛生委員会での調査審議をふまえて実施者が決めます。

選定の2つの考え方

①心身のストレス反応が高い:「心身のストレス反応」の領域が特に高い人を選ぶ方法です。まず反応の強さに注目します。

②反応と要因が重なる:反応が一定以上で、かつ「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」の状況も良くない人を選ぶ方法です。背景まで見て判断します。

点数の合計だけで機械的に線を引くと、実態と合わないことがあります。基準は数値換算法にもとづきつつ、実施者の医学的な判断を加えて決めてください。

【注意点】実施者が高ストレス判定で誤りやすい5つのポイント

高ストレス判定で起きやすいミスは、基準の曖昧さと情報の取り扱いに集中します。ここが本記事の核心です。

私自身、担当者からのご相談で多いと感じるのが、次の5点です。事前に知っておくだけで、あわてずに済みます。

  • 基準を事前に決めていない:結果を見てから線引きすると、恣意的になります。受検前に基準を確定してください。
  • 合計点だけで判定する:要因やサポートを見ないと、隠れた高ストレス者を見落とします。
  • 結果を会社が先に見る:本人の同意なく担当者が結果を閲覧するのは避けます。
  • 通知が遅れる:判定後は遅滞なく本人へ結果を届けてください。
  • 面接指導の案内を省く:高ストレス者には、面接指導を受けられることを必ず伝えます。
相談者

基準って、うちの会社で勝手に決めていいんですか。あとで問題にならないか不安で。

ストレスチェックサポートセンター

ご安心ください。基準は衛生委員会で話し合ったうえで、実施者が医学的に決めます。会社が単独で決めるものではないので、手順どおり進めれば大丈夫です。

選定のあとに続く実務は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

高ストレス判定後の対応の流れ【5ステップ】

高ストレス判定後は、通知から事後措置まで5つのステップで進めると迷いません。

厚生労働省の資料にそって、担当者が動く順番を整理します。順に追えば、抜け漏れを防げます。

STEP
本人へ結果を通知する

実施者から本人へ、結果と高ストレス者に該当する旨を通知します。会社を経由せず、直接届ける形が原則です。

STEP
面接指導を案内する

医師による面接指導を受けられることを伝えます。申出の窓口と方法も、あわせて案内してください。

STEP
本人からの申出を受ける

本人が希望した場合に、面接指導の申出を受け付けます。申出を理由に不利益な扱いをしてはいけません。

STEP
医師の面接指導を実施する

申出からおおむね1か月以内に、医師の面接指導を実施します。日程調整は担当者が支えます。

STEP
医師の意見をふまえ事後措置を行う

面接指導のあと、医師の意見を聴き、必要なら就業上の措置を検討します。労働時間の短縮や配置の見直しが例です。

一連の手続きは、厚生労働省のストレスチェック制度のページでも確認できます。面接指導は労働安全衛生法第66条の10にもとづく仕組みです。

実施者が守るべき守秘義務と体制の注意点

ストレスチェックの個人結果は、本人の同意がなければ会社に提供できません。守秘義務が制度の土台です。

守秘義務に注意:実施者や実施事務従事者は、業務で知った労働者の秘密を漏らしてはならないと定められています(労働安全衛生法)。個人結果は、施錠やアクセス制限のある環境で管理してください。

実施事務従事者とは、調査票の回収やデータ入力など、個人情報を扱う事務を担う担当者です。人事権を持つ人は、この役割に就けません。ここも、見落としやすい注意点。

当センターはプライバシーマークを継続取得し、個人情報を自社サーバーで管理しています。体制づくりに迷ったら、実施者の要件や役割分担から一緒に整理できます。

高ストレス判定を放置するとどうなる?

高ストレス者を放置すると、体調悪化や休職につながるだけでなく、会社の安全配慮義務が問われるおそれがあります。

面接指導の案内をしなかった、申出を受けても放っておいた。こうした対応は、後々のトラブルの火種になります。

大切なのは、判定を「点数の記録」で終わらせないことです。本人が相談できる導線まで用意して、はじめて機能する制度。ここが、形だけの実施と実のある実施の分かれ目です。

私がご相談を受けるなかでも、通知だけして終わっているケースは少なくありません。厚生労働省のこころの耳では、担当者向けの動画教材「15分でわかる法に基づくストレスチェック制度」が公開されています。判定後の対応に迷ったら、こうした公的な解説もあわせて確認してください。

実施者の負担を軽くする外部委託という選択肢

実施者の確保や守秘義務の体制づくりが難しいなら、外部委託で担当者の負担を大きく減らせます。

厚生労働省によると、ストレスチェックは2015年12月から労働者50人以上の事業場に義務づけられています。さらに2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、令和10年(2028年)4月1日から50人未満の事業場にも実施が義務化されます。対応する会社は、これから一段と増えます。

当センターは、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定されています。数名〜6,000名規模まで100社以上の実績があり、翌年も利用いただくリピート率は9割以上です。実施者の選任から高ストレス者への通知まで、まとめてお任せいただけます。

最短3日で受検をスタートできます。Web受検・紙受検・併用に対応し、英語やベトナム語での実施もできます。

よくあるご質問(FAQ)

実施者や担当者からよく寄せられる質問を、まとめてお答えします。

ストレスチェックで高ストレスと判定されたらどうなりますか?

本人に結果が通知され、医師による面接指導を受けられる案内が届きます。会社に自動で結果が伝わることはありません。面接指導を受けるかどうかは、本人が決めます。

高ストレス者の割合はどれくらいになりますか?

厚生労働省の実施マニュアルが示す標準的な方法では、おおむね受検者の10%程度になるよう基準を設定します。ただし基準は衛生委員会での審議をふまえ、実施者が決めます。会社の実情によって多少前後します。

高ストレス判定を放置するとどうなりますか?

本人の体調悪化や休職につながるおそれがあります。適切な対応を怠ると、会社の安全配慮義務が問われる可能性もあります。面接指導の案内までは必ず行ってください。

高ストレス判定は会社にバレますか?

本人の同意がなければ、結果を会社に提供することはできません。実施者と実施事務従事者には守秘義務があります。面接指導を申し出た場合に、はじめて会社が把握できる形になります。

高ストレス者への面接指導は義務ですか?

本人が申し出た場合、会社は医師による面接指導を実施する義務があります。申出がなければ実施はされません。案内自体は、すべての高ストレス者に行うことが求められます。

ストレスチェックの実施者は誰ですか?

実施者は、医師・保健師のほか、所定の研修を修了した看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理師が担えます。高ストレス者の判定は、この実施者の役割です。社内に確保が難しい場合は、外部委託で対応できます。

まとめ

高ストレス判定の注意点は、基準を先に決めること、そして結果を漏らさないことに尽きます。

判定のあとは、通知から面接指導、事後措置までを5ステップで進めれば、抜け漏れを防げます。放置せず、本人が相談できる導線まで用意してください。

実施者の確保や守秘義務の体制に不安があれば、外部委託も選択肢になります。毎年の対応、正直に言えば負担が大きいものです。迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の編集・監修体制
信頼性の高い情報発信
編集・監修:ストレスチェックサポートセンター編集部

本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。

ストレスチェック支援実績
9年連続
健康経営優良法人に認定
3〜20,000名規模
受検人数を問わず、幅広く支援しております。
100社以上
一般企業から自治体まで、多数の支援実績がございます。
運営会社情報

シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。

健康経営優良法人2026 中小規模法人部門 ネクストブライト1000
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次