2026年現在、従業員数50名未満の事業場においてストレスチェックは「努力義務」とされています。しかし、2028年からは法改正により、すべての事業場で「完全義務化」される方針が固まりました。
「うちは人数が少ないから後回しでいいや」と思っていると、いざ義務化された際に体制が整わず、慌てることになりかねません。
本記事では、小規模事業者が今のうちから知っておくべき制度の概要と、スムーズな導入ステップを解説します。
目次
1. 2028年の「完全義務化」で何が変わる?
これまでは「50名」というラインで義務かどうかが分かれていましたが、法改正後はその境界線がなくなります。
| 項目 | 2027年まで | 2028年以降(予定) |
| 実施義務 | 従業員50名以上は義務 / 50名未満は努力義務 | 全事業場で義務化 |
| 労基署への報告 | 50名以上は必須 / 50名未満は不要 | 現在協議中 |
2. ストレスチェック実施の5ステップ
少人数の職場だからこそ、「プライバシーの保護」が最も重要です。以下の流れを一例としてお出しします。
① 導入準備と社内周知
まずは事業者がストレスチェックの実施の社内周知を行い、実施者の選定を行います。
- 実施者の確保: 外部の産業医やストレスチェック代行サービスを選定。
- 実施事務従事者の選定: 社内の事務窓口を決めます。※人事権を持つ人は個人の結果を見ることができないため注意が必要です。
② 質問票の配布・回答
従業員に調査票を配ります。「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使うのが一般的です。
- ポイント: 紙でもWEBでも構いませんが、「会社の人に中身を見られない」仕組み(封筒に封をする、直接外部システムへ入力するなど)を徹底します。
③ 結果の通知と面接指導
結果は本人に直接届きます。
- 高ストレス者の対応: 本人が希望した場合、医師による「面接指導」をセッティングします。この費用は会社負担となり、申し出が出た時点で義務となります。
④ 就業上の措置
医師の意見を聞き、必要であれば「残業を減らす」「配置を換える」などの対応を行います。
⑤ 集団分析と職場環境の改善
10人以上の単位でデータを集計し、自身の初夏場環境を分析します。これを元に、無駄な業務の削減やコミュニケーションの活性化に繋げます。
3. 早期導入のメリット:なぜ今から始めるべきか?
2028年を待たずに今(2026年)からスタートすることには、経営上の大きなメリットがあります。
- 人材の定着: 「心の健康を大事にする会社」という姿勢は、採用時の強力なアピールポイントになります。
- 突然の離職を防ぐ: 少人数の職場では、1人の休職が事業継続のピンチに直結します。予兆を早めにキャッチすることで、貴重な人材を守れます。
- PDCAを回せる: 義務化されてから試行錯誤するのではなく、今のうちに自社に合ったやり方を確立できます。
まとめ:準備は「今」から始めましょう
ストレスチェックは単なる事務作業ではなく、「社員が長く元気に働ける環境を作るための健康診断」です。2028年の義務化に向けて、まずはストレスチェックの実施代行業者の選定や、実施者の確認から始めてみてはいかがでしょうか。


