「ストレスチェックに助成金が使えるらしい」と聞いて調べたら、古い情報ばかりで戸惑っていませんか。制度の名前が変わり、仕組みも大きく変わったため、混乱するのは当然です。
この記事では、旧助成金の廃止の経緯と、2026年(令和8年)時点で使える制度を整理します。助成率や上限額、申請の流れまで、公式資料をもとに解説します。
この記事でわかること
- 旧「ストレスチェック助成金」が廃止された経緯と現在の制度
- 団体経由産業保健活動推進助成金の助成率・上限額・対象サービス
- 申請の流れと、助成金が使えない場合に費用を抑える方法
結論から先に:会社が単独で申請できた旧「ストレスチェック助成金」は廃止済みです。2026年時点で使えるのは、商工会議所などの団体を通じて申請する「団体経由産業保健活動推進助成金」です。対象費用の9割、1団体あたり最大500万円が助成されます(労働者健康安全機構・令和8年度)。
ストレスチェック助成金は廃止された?【2026年の現状】
旧「ストレスチェック助成金」は廃止され、会社が単独で申請できる専用の助成金は2026年現在ありません。
ネット上には廃止前の解説記事がまだ多く残っています。古い単価や申請様式を参考にしてしまう前に、まず現状から確認しましょう。
旧「ストレスチェック助成金」とはどんな制度だったのか
旧ストレスチェック助成金とは、従業員50人未満の事業場向けの費用助成制度です。実施費用や、医師による面接指導の費用の一部が支給されていました。
窓口は、独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)でした。当時は会社が直接申請できたため、小規模な会社でも使いやすい制度だったといえます。
現在は「団体経由」の助成金に一本化されている
個別の事業場向け助成金は整理され、令和4年度から「団体経由産業保健活動推進助成金」に一本化されました。心の健康づくり計画助成金や職場環境改善計画助成金も、同じ流れで終了しています。
相談者えっ、うちの会社が直接申請できる助成金はもう無いんですか?



はい、単独での申請はできなくなりました。ただ、商工会議所や協同組合に入っていれば、団体経由でいまも使えます。次で仕組みを説明しますね。
いま使える「団体経由産業保健活動推進助成金」とは?
団体経由産業保健活動推進助成金とは、団体経由で中小企業の産業保健活動を支援する国の助成金です。商工会議所などの事業主団体が傘下の中小企業にサービスを提供すると、その費用の9割が助成されます。
助成の仕組み|お金は会社ではなく団体に支給される
申請者になれるのは、商工会議所・商工会・事業協同組合などの事業主団体等です。団体が医師や保健師、外部の実施機関と契約し、傘下の中小企業にストレスチェックなどを提供します。
助成金を受け取るのは、会社ではなく団体側。会社は「団体を通じてサービスを利用する」形になります。自社が組合や商工会議所に加入しているかどうかが、最初の分かれ道です。
助成率と上限額【令和8年度】
労働者健康安全機構の「団体経由産業保健活動推進助成金の手引(令和8年度版)」によると、助成率と上限額は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助割合 | 助成対象経費の10分の9(9割) |
| 支給上限額 | 1団体あたり500万円(都道府県事業主団体は1,000万円) |
| ストレスチェック分の上限 | 60万円(都道府県事業主団体は120万円) |
| 1人あたりの上限 | 実施は1人につき200円/集団分析は構成事業主1者につき3,000円 |
詳しい要件は労働者健康安全機構の助成金ページで確認できます。令和8年度の申請受付は、令和8年6月10日に始まりました。
対象になる産業保健サービスの範囲
助成対象はストレスチェックだけではありません。令和8年度は、次の8種類のサービスが対象です。
- ストレスチェックの実施・集団分析(労働者数50人未満の事業場に限る)
- 医師意見聴取・保健指導・医師面接指導(高ストレス者や長時間労働者への対応)
- 健康相談・治療と仕事の両立支援・職場環境改善・研修教育や周知啓発
ストレスチェックの助成は、労働者数50人未満の事業場に限られます。また国の予算で運営されるため、申請期間内でも予告なく受付が終わる場合があります。使うなら早めの相談が安全です。
高ストレス者への面接指導も対象に含まれています。面接指導の進め方は医師による面接指導の流れを解説した記事で確認してください。
助成金を使うまでの流れは?【4つのステップ】
団体経由産業保健活動推進助成金は、会社ではなく団体が申請手続きを行います。会社側の視点で見ると、流れは次の4ステップです。
まず、自社が加入する商工会議所・商工会・協同組合などに問い合わせます。会社単独では申請できないため、団体がこの助成金を使う予定かどうかが出発点になります。
団体が労働者健康安全機構へ交付申請書と事業実施計画を提出します。会社側は、受検予定人数などの情報提供で協力します。
交付決定後、医師・保健師などの有資格者や外部機関がストレスチェックを実施します。集団分析まで行えば、その費用も助成対象です。
実施後、団体が領収書などの証拠書類を添えて支給申請します。費用の支払いは原則振込で、書類の保管が欠かせません。
私が総務のご担当者から相談を受けるなかでは、「団体側に前例がなく話が進まない」という声をよく聞きます。その場合は、団体の事務局に機構の手引を共有するところから始めてみてください。
2028年の義務化と助成金はどう関係する?
令和10年(2028年)4月1日から、労働者数50人未満の事業場もストレスチェックの実施が義務になります。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法で決まりました(厚生労働省 ストレスチェック制度)。
注目したいのは、助成対象が「50人未満の事業場」に限られている点です。義務化で新たに対象となる会社と、助成金の対象がちょうど重なります。
義務化後の根拠となるのは、労働安全衛生法第66条の10です(e-Gov法令検索)。実施を怠った場合のリスクは罰則について解説した記事にまとめています。準備期間は、あと2年足らず。義務化されてから慌てるより、助成金を活用して今のうちに試しておく方が負担は軽くなります。



うちは40人の会社です。義務化までに何から手を付ければいいでしょうか?



まず加入団体に助成金の予定を聞き、並行して実施方法を決めるのが近道です。義務化前に一度実施しておくと、本番の年はぐっと楽になりますよ。
助成金が使えないときは?外部委託で負担を抑える方法
団体経由の助成金が使えない場合でも、外部委託でコストと手間の総額を抑える方法があります。ストレスチェックの負担は、料金そのものより担当者の作業時間に隠れているためです。
どの団体にも加入していない会社や、50人以上の事業場は助成の対象外です。その場合は「かかる費用を下げる」より「かける手間を減らす」発想に切り替えてみてください。
実際に私が対応したお客様でも、「せめて手間を減らしたい」と外部委託を選ぶ方が目立ちます。助成金が使えないと分かった会社ほど、その傾向は強いです。実施者の確保から結果通知、報告書類の準備まで一括で任せられるからです。
当センターは、数名〜6,000名規模まで100社以上の導入実績があります。リピート率は9割以上で、9年連続で経済産業省の「健康経営優良法人」に認定されてきました。最短3日で受検を始められ、Web受検・紙受検・併用のどの方式にも対応しています。
委託先を比べる基準は委託先の選び方を解説した記事で紹介しています。集団分析を職場改善に活かす方法は集団分析の解説記事が参考になります。
ストレスチェックの助成金に関するよくある質問
助成金について、検索でよく調べられている質問に答えます。
- ストレスチェック助成金は廃止されたのですか?
-
はい、会社が直接申請できた旧「ストレスチェック助成金」は廃止されています。現在は、商工会議所などの団体を通じて申請する「団体経由産業保健活動推進助成金」に一本化されました。
- 助成金は誰でももらえるのですか?
-
誰でも受け取れるわけではありません。申請できるのは、商工会議所や協同組合などの事業主団体等です。ストレスチェック分の助成は、労働者数50人未満の事業場に限られます。
- 心の健康づくり計画助成金はまだ使えますか?
-
いいえ、心の健康づくり計画助成金は新規申請を終了しています。個別の事業場向け助成金は整理され、現在は団体経由産業保健活動推進助成金がその受け皿になっています。
- ストレスチェックの費用は誰が負担するのですか?
-
ストレスチェックは労働安全衛生法第66条の10に基づく会社の義務のため、費用は事業者が負担します。従業員に自己負担を求める運用は想定されていません。助成金を使う場合も、支給先は会社ではなく団体です。
- 50人未満の会社もストレスチェックが義務になりますか?
-
はい、令和10年(2028年)4月1日から労働者数50人未満の事業場にも義務化されます。2025年5月公布の改正労働安全衛生法によるものです。それまでの間は努力義務として扱われます。
- 集団分析や高ストレス者の面接指導も助成の対象ですか?
-
はい、対象です。集団分析は構成事業主1者につき3,000円を上限に助成されます。高ストレス者への医師面接指導も、助成対象のサービスに含まれています(令和8年度手引)。
まとめ:最新の制度を確認して、費用を賢く抑えましょう
ストレスチェックの助成金は、団体経由型へ切り替わりました。最後に、この記事の要点を整理します。
- 旧「ストレスチェック助成金」は廃止され、会社単独で申請できる制度はない
- 現在は団体経由産業保健活動推進助成金で、費用の9割・団体あたり最大500万円が助成される
- ストレスチェック分は50人未満の事業場限定で、2028年の義務化対象と重なる
- 助成が使えない会社は、外部委託で担当者の手間ごと負担を減らす選択肢がある
制度は年度ごとに見直されるため、動く前に労働者健康安全機構の最新情報を確認してください。「うちの場合はどう進めるのが得か」と迷ったら、見積りだけでも取って比べてみましょう。毎年の面倒な実施事務を手放せれば、担当者のあなたが本来の仕事に使える時間が戻ってきます。迷ったら、お気軽にご相談ください。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、3〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。












