受検してくれない?―ストレスチェックを受けない従業員への対策とは?

会議

従業員数が50人以上の事業場での実施が必須であるストレスチェック。受検しない従業員も多いのではないでしょうか?

今回は、従業員がストレスチェックを受検しない場合に、事業者が取るべき対応についてご紹介します。

この記事を読むことで以下のことが分かるようになります。

  • 従業員がストレスチェックを受検しないことで罰則はあるのか?
  • 従業員はどんな理由でストレスチェックを受検しないのか?
  • 受検しない従業員を減らすための対策
目次

ストレスチェックは受検しなくてもいい?

50人以上の従業員を常時使用する事業場に対して、国はストレスチェックの実施を義務付けています。しかし、従業員がストレスチェックを受検しなければならない法律や条例はありません。そのため事業者は、従業員に受検を強制することはできません。もし従業員がストレスチェックを受検しなかったとしても、事業者は、受検しなかった従業員に対して、何らかのペナルティを科すなどの不当な扱いをしないようにしましょう。

厚生労働省が実施したアンケート調査によると、令和2年度にストレスチェックを実施した事業場は、全体の84.3%でした。多くの事業場が従業員の健康を守るため、積極的にストレスチェックを実施していたことが読み取れます。しかし、受検率のグラフをみてみると、実際に受検した従業員の割合が約80%未満だった事業場は、約20%となっており、何らかの理由でストレスチェックを受検していなかった従業員が一定の割合で存在していることが分かります。

出典:厚生労働省 ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて

ここでは、従業員がストレスチェックを受検しない理由についてご紹介します。

仕事が忙しいため時間がない

日々の業務量が多いことで、ストレスチェックを受検しない従業員がいます。また、仕事中にストレスチェックを受検して時間を取られることに、煩わしさを感じている可能性があります。

個人結果の内容を上司や同僚に知られたくない

職場の人間関係や、その事業場に対して不満を持っていることを上司や事業場内に伝わることを恐れているケースです。回答内容や個人結果報告書の詳細が、上司や同僚に知られると思い込み、受検しない場合があります。

日本語がわからないため受検していない

職場に外国人の方が多い事業場によくあるケースです。日本語が分からなかったり、字を読むことができないなど、従業員本人が、回答しても正確な結果を得ることが難しいと感じ、受検しないということが考えられます。

ストレスチェック自体に意味がないと感じている

ストレスチェックを受検しても意味がないと考えている従業員もいます。現代社会で働いている社会人なら多少のストレスはあるものだと判断し、ストレスチェックを行ったとしても自分自身のメンタル状態が変わることはないと思っているのかもしれません。

ここからは、ストレスチェックを受検しない従業員を減らすための対策をご紹介します。

ストレスチェックの回答時間を伝える

ストレスチェックの所要時間を従業員に伝えて、業務量が多い場合でも受検できることを理解してもらいましょう。

当センターが提供しているストレスチェックでは57項目、80項目の設問を用意しています。基本的には直感で答えていく設問が多いため、実際の受検時間は長い場合でも10分程度でしょう。

短時間で手軽に受検できることが分かれば、受検する従業員の増加に繋がります。

回答シートのサンプルはこちら

受検結果が外部に漏れないことを周知する

従業員の個人結果の詳細は、事業場で人事権限を持っている人に開示されることはありません。

安心して受検することが可能ということを従業員に伝えるようにしましょう。また、ストレスチェックの内容は個人情報に当たるため、厳重に管理されます。受検結果は実施事務従事者のみが配布や回収を行い、医師や保健師などの実施者に引き渡されます。

関連記事:どう違う?ストレスチェックの実施者と実施事務従事者の役割とは?

もし事業者が受検結果を知りたい場合は、受検した従業員本人の同意が必要です。また、受検結果を提供しない従業員に対して、解雇や停職などの不当な扱いをすることは禁止されています。

多言語でも受検できる準備をする

外国籍の従業員が多い事業場でもストレスチェックを受検できる環境を整えておくことで、受検拒否率が下がります。

当センターでは、日本語に加えて英語・ベトナム語での受検も可能となっております。サンプルの提供も可能なので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

ストレスチェックを受検するメリットを伝える

ストレスチェックを受検する意味がないと感じている従業員には、事業場の担当者や管理者などを通じて、ストレスチェックを受検するメリットを伝えましょう。以下のような内容を伝えることが重要です。

  • 自らが感じているストレスの程度を明確化できる
  • ストレス度が高い場合は医師や保健師によるメンタルヘルスのサポートを受けられる
  • 結果を分析することで、職場環境改善に繋がる

関連記事:ストレスチェックを意味のあるものにするにはどうすればいい?-事例を交えながら紹介します-

まとめ

今回は、従業員がストレスチェックの受検をしない場合に、事業者が取るべき対応についてご紹介しました。

ご紹介した対策を通じて、従業員全員がストレスチェックを受検してくれる体制を整えていきましょう。

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