この記事でわかること
- 代行サービス3タイプの違いと、自社に合う選び方
- 失敗しない委託先の比較ポイント7項目
- 規模別の費用相場と、自社実施とのトータルコスト比較
「ストレスチェックの代行を頼みたいが、どこも同じに見えて選べない」
こうしたご相談を、総務・人事のご担当者から毎月いただきます。比較サイトを見ても会社名が並ぶだけで、何を基準に選べばよいか分かりにくいものです。
この記事では、代行サービスの種類・選び方・費用を、判断基準とセットで整理します。読み終えたとき、自社が見るべきポイントが明確になっているはずです。
ストレスチェック代行とは?比較が必要な理由
ストレスチェック代行とは、受検案内から結果集計・医師面接の手配までを外部の専門会社に委託する仕組みです。

ストレスチェックは、労働者の心理的な負担の程度を調べる検査です。労働安全衛生法第66条の10により、常時50人以上の事業場に年1回の実施が求められます。
実施には専門の手間がかかります。実施者となれるのは産業医や保健師などの医療職に限られ、人事担当者が兼任することは認められていません。だからこそ、医療職の確保ごと外部に任せる代行が選ばれます。
厚生労働省の「ストレスチェック制度関連情報」によれば、令和5年度の50人以上の事業場の実施率は83.6%です。その実施を支えているのが、外部の代行サービスです。
代行会社は数多く存在します。料金体系・委託できる範囲・サポートの厚さは会社ごとに大きく異なります。だからこそ、横並びで比較する視点が欠かせません。
「実施代行」と「システム提供だけ」は別物
比較で最初に見分けたいのが、サービスの守備範囲です。
受検システムだけを貸し出すタイプと、実施者の選任から面接指導の調整までを一括で担うタイプがあります。前者は安価ですが、運用の手間は社内に残ります。後者は担当者の負担をほぼ肩代わりしてくれます。
同じ「代行」という言葉でも、中身はまったく違います。料金の数字だけを並べても意味がない理由が、ここにあります。
比較でつまずく担当者に共通する3つの誤解
ご相談を受けるなかで、よく見かける誤解が3つあります。
相談者一人あたりの単価がいちばん安い会社を選べば、結局お得ですよね?



そこが落とし穴です。単価が安くても、面接指導や集計が別料金なら総額は逆転します。「大手なら安心」「どこも内容は同じ」という思い込みも、よくある誤解です。
1つ目は「一人あたり単価が安い会社が一番お得」という思い込みです。2つ目は「大手なら間違いない」という発想。規模より、自社と近い実績があるかが大切です。3つ目は「どこも実施内容は同じ」という誤解です。委託範囲は会社ごとに驚くほど違います。
この3つを外すだけで、比較の精度は大きく上がります。私がご相談の場で最初にお伝えするのも、まさにこの点です。
ストレスチェック代行サービス3つのタイプと比較ポイント
代行サービスは「システム特化型」「実施代行型」「健康管理統合型」の3タイプに大きく分かれます。
自社に合うタイプを見極めると、比較がぐっと楽になります。タイプごとの特徴を整理します。
| タイプ | 委託範囲 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| システム特化型 | Web受検システムの提供が中心 | 実施者を社内に確保できる企業 |
| 実施代行型 | 受検案内・集計・面接調整まで一括 | 担当者が兼務で手が足りない企業 |
| 健康管理統合型 | 健診データ等と一体で管理 | 健康経営に本格的に取り組む企業 |
3タイプのうち、中小企業の総務担当者に最も支持されるのが実施代行型です。理由は単純で、社内に医療職を抱えなくても制度を回せるからです。
比較で必ず見るべき3つの軸
タイプを絞り込んだら、次の3軸で各社を並べてください。
- 委託範囲:実施者の選任・面接指導の調整まで含むか
- 料金体系:基本料金と一人あたり単価の内訳が明確か
- 個人情報の管理:結果の保管方法とセキュリティ体制
この3軸を表にして書き出すだけで、各社の違いが浮かび上がります。私自身、ご相談の場では必ずこの3軸を一緒に書き出すところから始めています。漠然と「どこがいいか」と考えるより、ずっと早く結論にたどり着けます。
自社に合うタイプが見えてきたら、具体的な費用を確認するのが近道です。60秒で概算をお伝えできます。
失敗しない代行業者の選び方7つのチェックポイント
委託先は「委託範囲・実施者・面接体制・多言語・セキュリティ・サポート・実績」の7点で見極めてください。
価格の安さだけで選ぶと、運用が始まってから後悔します。チェックすべき7項目を順に解説します。
| # | チェック項目 | 確認の着眼点 |
|---|---|---|
| 1 | 委託範囲 | 面接指導の医師手配まで任せられるか |
| 2 | 実施者の確保 | 産業医・保健師を自前で用意できるか |
| 3 | 高ストレス者対応 | 通知や面接調整の流れが明確か |
| 4 | 多言語対応 | 外国人従業員向けの受検言語があるか |
| 5 | 個人情報管理 | 保管場所とプライバシーマークの有無 |
| 6 | 受検率サポート | 未受検者への督促を代行してくれるか |
| 7 | 導入実績 | 自社と近い規模・業種の実績があるか |
見落としやすいのは「面接指導」と「受検率」
7項目のなかでも、見落とされがちなのが3番と6番です。
高ストレスと判定された従業員から申し出があれば、会社は医師による面接指導を実施する必要があります。この医師手配を委託先に任せられるかどうかで、担当者の負担は大きく変わります。面接指導の具体的な流れもあわせてご確認ください。
受検率も軽視できません。受検率が低いと集団分析の精度が落ち、職場改善に活かせません。未受検者への案内まで代行してくれるかは、必ず確認してください。受検率を高める工夫を知っておくと、比較の目が肥えます。
選び方の全体像をもう一段深く知りたい方は、ストレスチェック委託先の選び方も参考になります。
「実績」はどこを見れば信頼できる?
導入社数の総数だけでなく、自社と近い規模・業種の実績があるかを見てください。50名規模の会社が数万人規模の事例だけを示されても、運用イメージは湧きません。健康経営優良法人の認定や、プライバシーマークの継続取得といった第三者の評価も、信頼性を測る目安になります。
代行と自社実施を比較|規模別の費用相場
代行費用は「基本料金+一人あたり単価」で決まり、Web受検なら一人あたり数百円程度が相場です。


費用は受検方式・人数・オプションで変わります。あくまで目安として、規模別のイメージを整理します。
| 従業員数 | Web受検の費用イメージ | 主な変動要因 |
|---|---|---|
| 50名規模 | 基本料金+一人あたり数百円 | 面接指導の有無 |
| 100名規模 | 一人あたり単価が逓減しやすい | 集団分析オプション |
| 300名規模 | ボリューム割引が効きやすい | 紙受検の併用有無 |
紙受検は印刷・回収の手間がかかるため、Web受検より単価が上がる傾向です。面接指導や集団分析をオプションで付けると、その分が加算されます。
見積もりを取るときは、基本料金にどこまで含まれるかを必ず確認してください。各社に同じ条件を伝えて見積もりを揃える。これが正確な比較の第一歩です。
受検システムの利用料だけが基本料金で、集計レポートや医師面接が別建てというケースは珍しくありません。総額で比べないと、安く見えた会社が結局は高くつくことがあります。
「自社実施は安い」は本当か
自社実施なら委託料はかかりません。しかし、担当者の人件費という見えにくいコストが発生します。



自社でやれば委託料はゼロですし、そのほうが安く済むのでは?



見えにくいのが担当者の人件費です。督促・集計・面接調整に何十時間も取られると、時給換算では委託料との差は思うほど大きくありません。工数まで含めて比べてみてください。
受検案内の配布、未受検者の督促、結果の集計、医師面接の日程調整。これらをすべて社内でこなすと、担当者の時間が何十時間も奪われます。時給換算すれば、委託料との差は思うほど大きくありません。
費用だけの比較なら自社実施が有利に見えます。けれど工数を金額に直した「トータルコスト」で見ると、結論は変わります。費用と工数の両面で考える。これが比較の勘所です。外部委託の費用感は未実施のリスクとあわせて考えると、判断しやすくなります。
9割が翌年も継続する委託先に共通する3条件
長く選ばれる委託先には「担当者の工数削減・安心できる個人情報管理・スタートの速さ」という3つの共通点があります。
弊社では、翌年もご利用いただくリピート率が9割を超えています。継続いただける理由を、ご担当者の声から3点に整理しました。
1つ目は、工数が確実に減ること。「名簿を送るだけで、あとはお任せできた」という声を、毎年いただきます。2つ目は、個人情報の管理体制です。弊社はプライバシーマークを取得し、自社サーバーで結果を管理しています。3つ目は、立ち上がりの速さ。最短3日で受検をスタートできます。
職場のメンタルヘルス対策の実態は、労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査でも継続的に報告されています。義務化の波が来る前に、信頼できる委託先を見極めておくこと。これが結果的に、毎年の負担を最も軽くする選択です。
弊社の主な実績は次のとおりです。
- 9年連続・経済産業省「健康経営優良法人」認定(2016年〜継続)
- 導入実績100社以上(500〜20,000名規模の自治体・民間企業)
- 翌年もご利用いただくリピート率9割以上
- Web受検・紙受検・併用すべて対応
- 英語・ベトナム語の多言語対応あり
担当者の工数はどれだけ減るか【工数比較】
外部委託に切り替えると、担当者の作業は「対象者名簿の提出」と「結果報告の受領」にほぼ集約されます。
自社実施と外部委託で、担当者の作業がどう変わるかを並べます。
| 工程 | 自社実施 | 外部委託 |
|---|---|---|
| 受検案内の配布 | 担当者が作成・配布 | 委託先が代行 |
| 未受検者の督促 | 個別に連絡 | 委託先が代行 |
| 結果の集計 | 手作業で集計 | 委託先が自動集計 |
| 面接指導の調整 | 医師を自前で手配 | 委託先が手配 |
表のとおり、担当者が直接動く工程はほとんど残りません。実際に外部委託へ切り替えたご担当者からは、「去年は残業して対応したが、今年は定時で終わった」という感想をよく伺います。
特に負担が重いのは、未受検者への督促と医師面接の日程調整です。督促は何度も連絡が必要で、面接調整は産業医と従業員の予定をすり合わせる手間がかかります。この2工程を任せられるだけでも、担当者の心理的な負担は大きく軽くなります。
浮いた時間は、本来やるべき仕事に回せます。集団分析の結果を職場改善につなげる余裕も生まれます。集団分析の活用方法まで踏み込めると、ストレスチェックが「義務」から「経営に効く施策」へ変わります。
よくある質問
- ストレスチェック代行の費用はいくらですか?
-
多くのサービスは「基本料金+一人あたり単価」で構成されます。Web受検なら一人あたり数百円程度が目安です。面接指導や集団分析をオプションで付けると、その分が加算されます。正確な金額は人数と方式で変わるため、見積もりで確認してください。
- 代行を頼むと、実施者は誰になりますか?
-
実施代行型のサービスでは、委託先が産業医・保健師などの実施者を確保します。社内に医療職がいなくても制度を運用できます。実施者の選任を任せられるかは、契約前に必ず確認してください。
- 自社実施と外部委託、どちらが得ですか?
-
委託料だけを見れば自社実施が安く見えます。ただし担当者の人件費を含めたトータルコストで比べると、差は縮まります。担当者が兼務で手が足りない企業ほど、外部委託の費用対効果が高くなります。
- 50人未満の会社でも代行を頼めますか?
-
もちろん依頼できます。2026年6月現在、50人未満の事業場は義務対象外です。ただし2028年4月から義務化が拡大されます。今から代行で体制を整えておくと、義務化後の対応がスムーズになります。
- 外国人の従業員がいても対応できますか?
-
多言語に対応した代行サービスを選べば対応できます。弊社では英語・ベトナム語の受検に対応しています。受検言語が限られると未受検につながるため、多言語対応は比較の重要な観点です。
- 高ストレス者が出たら会社は何をしますか?
-
本人から申し出があれば、会社は医師による面接指導を実施します。申し出を理由に不利益な取り扱いをすることは、法律で禁止されています。高ストレス者への対応の流れを事前に把握しておくと安心です。
まとめ:比較の軸を決めれば委託先選びは迷わない
ストレスチェック代行の比較ポイントを整理します。
- サービスは「システム特化型・実施代行型・健康管理統合型」の3タイプに分かれる
- 比較は「委託範囲・料金体系・個人情報管理」の3軸で並べる
- 選び方は委託範囲・実施者・面接体制など7項目で見極める
- 費用は委託料だけでなく担当者の工数を含めたトータルコストで比べる
- 2028年の義務化拡大に向け、今から体制を整えておくと負担が軽くなる
会社名の多さに惑わされず、自社の軸を先に決める。これだけで委託先選びは驚くほど楽になります。9年連続で健康経営優良法人に認定された弊社が、最短3日のスタートまで一括でサポートします。
比較に必要な見積もりや資料が必要な方は、お気軽にお声がけください。自社に合うプランを一緒に整理します。
本記事は、9年連続で経済産業省「健康経営優良法人」に認定され、500〜20,000名規模・100社以上のストレスチェック実施を支援してきたストレスチェックサポートセンター編集部が、厚生労働省など公的資料に基づいて作成しています。
シー・システム株式会社は「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門 ネクストブライト1000)」に認定されています。









